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好きなんだけど!
70%



「んっ……」




さっきより荒々しく、切羽詰まったようなキスに目眩がする

朦朧としだした意識も、俺のモノを扱く手に一気に持っていかれた


何度もいじり回されていたそれは、早くイかせてくれと懇願するように先走りを流している。
そのせいで、有村の手が動く度、くちゅくちゅと卑猥な音を立てていた


はやくイかせてほしい。
この熱をなんとかしてくれ




「…ッふ……あ、あ…っ…」




反響する声は、耳を塞ぎたくなるほど甘ったるい。
俺の声じゃねぇみたい



空いていた方の手で有村の頬を撫でると、少し苦しそうに眉間にシワを寄せて唇に噛み付いてくる

掴んでいた手を放して、俺の頭を引き寄せた



あー…こいつ、今俺に欲情してんだ



傲慢でもなんでもなくて、漠然とそう思った。
オッサンの裸のどこに興奮できんのかわかんねーけど、冗談でこんなことできねぇだろ


舌が絡み合う感覚に、たまらず有村の首に腕を回す。
今度は俺から

気持ち悪い?
うん、知ってる


「ん、んッ…!」




あ、ヤバいヤバいヤバい


的確にいい所ばかりを狙われ、思わず腰が跳ねた。
そのせいで熱が一気に昇り詰め、足の先まで力が入る

有村はそれに気付くと、唇を離して優しく俺の髪を撫でた




「……こっち見ろよ」

「っ、ん、ぅ…ッ」

「唇噛むなっつの」

「う…あっ…」




唇を親指で割られ、自然と息が漏れる


顔をそらすことも声を我慢することも許されない。
なんてゆう羞恥プレイですかこれは



でもマジでやべぇから

ほら、もうイきそう



もう限界だと張り詰めるそれを遠慮なく扱かれ、俺の意思とは関係なく有村の手の中でビクついた

開きっぱなしの口から、意味のない言葉ばかりが溢れる。
有村にしがみつくと、抱き締められ耳たぶにキスをされた




「あ……あ、あっ……待っ…!」

「イクとこ、見せて」

「…―ッ、っ!!」




超殺傷能力の高い、激甘ボイス


それを耳元で囁かれ、頭が真っ白になる



かなり時間がかかって、イったんだと気付いた

まさか、有村の手で



冷静になった頭で現状を受け入れるのは、かなり困難だった



目の前の有村を見ることができなくて視線を下げると、俺のモノでどろどろになった有村の手

見るんじゃなかった。
何してんだ、俺




「なぁ……きたねーから…早く、洗えよ…」




息が上がってるせいで、かなり情けない声になってしまう。
それでもこれが精一杯で、まだ壁から身体も起こせない。
独特の脱力感は、指さえ動かすのも億劫だ


有村は俺を見ると、至って真剣な顔で口を開いた




「きたねーと思ったら、最初から触んねぇから」

「…やっぱお前、俺のこと好きだろ」

「……いい加減、気付けよ」




乱れた息も整わないうちに唇を塞がれる



また、はぐらかされた



たぶん、有村は俺が好き

わかんねーけど、70%ぐらいの確率で



後の30%は、ありえねぇだろってゆう俺の気持ち。
まさか有村悠馬が俺みたいなただのオッサンを、ってゆう気持ち

どっちかってーと、その気持ちの方が正直多いんだけど



丁寧に這わされる舌も、優しく髪を撫でる手も、そう考えれば全てつじつまが合うわけで




「ふ……ぅ…」

「…抵抗ぐらいしろよ」

「……だって…気持ちいいし…」

「くっそ……ありえねぇ」




真っ赤ですよ、有村さん


前から思ってたけど、こいつ可愛いんだよ。
できればデロデロに甘やかしてやりたいぐらい



俺がニヤニヤしてたんだろう、有村はそれを見るなりシャワーのコックを思い切りひねりやがった

有村は少し後ろに身体を引いて、俺だけが頭からシャワーをかぶる




「…―ぶ、あっ!?」

「笹川さんのくせに、ウザイ」

「なにが…っ」

「さっさと洗って出てきて」




有村は脱ぎ捨てた服を拾い上げ、俺を置いて出ていってしまった

浴室にはシャワーの音が響く



ひとり残された俺は、詰めていた息を吐いて壁に身体を預けた。
ゴツン、と頭が鈍い音を立てる


手を伸ばしてコックを捻ると、浴室は途端に静かになった



なんか、まだ頭がぼーっとしてる



有村が俺を好き?
なんで?
意味わかんねぇ。
いつから?


そもそも、俺男なんだけど



聞きたいことは山ほどあるけど、俺のことを好きなのかどうかっつーのも、まだ憶測の域だし。
聞いてもはぐらかされるし


なんで俺が好きなの?

そんなこと聞いて、はぁ?とか言われたらもうおしまい。
俺はただのイタいオッサンだ。
恥ずかしくて映画どころじゃねぇ




「っ、あ゛ー!くっそ…!」




考え込むとかマジ性に合わねー


なんなのあいつ、言い逃げ?

やたら上機嫌だし、すっきりしましたかよかったですね




「ダメだ、出よう」




こうなったら直談判


洗わずに出ることはできなかったので、簡単に洗って風呂から上がった。
火照った身体には、少し冷たい部屋の温度が心地良い



そーいや着替え、なかったんだ

俺が脱ぎ捨てたはずのスーツもストッキングもなくなってて、代わりにキレイに畳まれたバスタオルが置いてあった

その上に、白いシャツも置いてある。
パンツはどこだ。
ズボンもねぇんだけど



何これイジメ?
イジメカッコ悪い。
ダメ、絶対



バスタオルで身体を拭きながら、1枚で寂しく棚の上に佇むシャツを見ていた。
ちょっと肌寒くなってきたから着るよ。
着るけど、何この変態スタイル


息子さんは肌寒いとかいうレベルじゃねーよ。
装備なしだよかわいそうに



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あきゅろす。
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