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好きなんだけど!
一難去って嵐の予感



やっぱ変態は変態だ



恍惚の表情で見つめられ、視線をそらすもどうしても今の現状に赤面してしまう。
逃げ出せたらどんなに楽か


身体を揺さぶられる度に息が乱れ、じりじりと熱が集まってきた。
爪先に引っかかっていた黒いヒールがついに床に落ちてしまう




「っ、あ……関本…!」




背中の腕も振りほどけず、知らずに背中を反らしてしまった


それにめざとく気付いた関本は、スーツの合わせを割って、シャツの上から俺の乳首に吸い付く




「なぁ、ッ、やだ、って」

「んー…」

「っ、ふ……ぅあ…!」




もちろんやめてもらえるわけもなく、それどころかさらにキツく吸い上げられた

関本を睨みつけるも、人の良さそうな笑みを浮かべるだけ



俺が唇を噛むと、やめろと言わんばかりに舌で舐められる。
そのまま無理やりこじあけられ、熱い舌をねじ込まれた



マジで嫌だ!

やめてくんねーかな…!



腕も放してもらえず、ただ舌を貪られ揺さぶられる

口の端から、飲みきれなかった唾液が溢れた




「やっぱ、ごめんね」




かろうじで聞こえた声


嫌な予感は、もちろん外れてくれるわけもなくて



関本は俺の両腕を片手で掴むと、空いた手で自分のズボンのベルトを外し出す。
すでに硬くなったそれを、なんのためらいもなく取り出した


俺の身体が強ばると、腕を掴む力が強くなる。
少し痛くて顔が歪んだ




「ッ、なにしてんだよ…!」

「ちょっとだけ、お願い」




まさか、こんなことをしてるなんて思えないほど申し訳なさそうな笑みで、俺の太ももを撫でた



関本の足を跨いでいたせいで捲れ上がっていたスカートは、全く俺の足を守ってはくれない。
特に障害もなく、すぐに股間を握られてしまう

手のひらに汗がにじんだ




「う……っ、あ…」




ずるりと太ももに関本のモノを擦り付けられ、ストッキングにつけられた先走りが光る

足の付け根を親指がなぞり、妙にリアルな感覚に驚いてそっちを見た



こいつ、ストッキングやぶりやがった…!



親指で破ったそこからボクサーパンツの中へ、長い指を差し込む




「パンツは女物じゃないんだ?」

「ちょ、マジでお前っ…触んなって…!」

「そんなエロい顔されたら、ガマンできないでしょ?」




どんな顔だ!



困ったように笑う関本は、そう言って一気にストッキングを引き裂いた


唖然とする俺はお構いなしに、俺のモノを取り出し、待ってましたと言わんばかりに自分のモノと合わせてしまう

関本の先走りのせいで、嫌な水音が聞こえた



いや、待って

マジありえねーから…っ!



なんで知らねー奴と、こんな…




「やっ、あ―…!!」




ぬめるそれを一緒に扱きあげられ、甘ったるい叫声が上がる


嫌なのに抵抗できなくて、それでも俺のモノは快楽に従順で

情けないやら悲しいやらで、ぼろぼろと涙がこぼれた。
それを見た関本は、眉尻を下げて俺の目尻を舐め上げる




「泣かすのは、趣味じゃないんだけど」




じゃあやめてくれ


それすら嗚咽で話せなくて、唯一自由な首を横にふって嫌だと伝えてみた

すると予想外にも腕の拘束が解かれ、関本は心配そうに俺を覗き込む




「ごめんね。泣くほどイヤなら、やめる」




そう言うと、テーブルの端にあったおしぼりを広げて俺と自分のモノをキレイに拭いた。
そしてそれをさっさとしまうと、今度は俺の腰を抱いてメガネを取り去ると、自分のハンカチで涙を押さえる

化粧してるからだろうが、こんな拭き方、するのもされるのも初めてだ



このまま無理やりされるものだと思ってたから、あまりの関本の切り替えの早さに涙はもう止まっていた




「大丈夫?怖かった?」

「……やっぱアンタ、へん…」

「あれっ、嘘泣き!?」

「ちげーわ。まさか、やめてもらえると、思わなかったから…」

「無理やりって、あんまり好きじゃないんだよね」




助かった


関本が俺のメガネをかけ直して、なだめるように背中を撫でる


予想以上にいい男だ、関本。
常識人なのかそうじゃないのかよくわからない。
ただ、この店では当たり前のルールなんだから、最後までしなかったこいつは良い奴なんだろう




「だから、チェンジしろって言っただろ…」

「いいのいいの。こーゆうことしたくて来てるわけじゃないから」

「は?」

「しないで帰る時も結構あるし」




頬をくすぐるように撫でられ身体を引くも、いつの間にか腰を抱かれてて逃げることはかなわなかった

もう、何かしようって雰囲気ではないから、ムリに抵抗はしねぇけど




「久瀬くんがかわいいから、ガマンできなくなっちゃった」

「…俺ニューハーフじゃねぇから、嬉しくねーし」

「俺だって、男抱く趣味はないよ」




嘘つけ、と言いかけた唇は塞がれ、軽く舌先を舐めてすぐに離れる

やらしいソレじゃなくて、愛でるようなキス。
今度は耳の上の髪に指を通して、また唇に吸い付いた




「今日だけなんて、ほんともったいない。お金なら払うから、たまに、ご飯だけでも行かない?」

「断る」

「なんかもー、そうゆう所も、すごいツボなんだけど」

「ん……っ、も…やめろっつの…」




楽しそうに何度もキスをし、わざとらしく音を立てて離れる


ショーも佳境に入ったらしく、店全体の熱気に頭がぼんやりする。
関本の甘ったるい視線さえも心地よくて、頭を押さえられたと思ったら、深く舌を差し込まれた


もて余していた手で関本の服を握る



その手を、ソファの後ろから伸びた手が掴みあげた。
思考が停止する


この店で、こんなことする奴はいないはず。
じゃあ、誰



確認する前に、そのまま引っ張り上げられ、慌てて上を見上げた

久しぶりに見る顔に、心臓がぎしりと固まった



なんで



有村が、ここに




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あきゅろす。
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