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好きなんだけど!
もう引き返せません




10歳も年下で、しかも初対面の男にこんなこと言う日がくるなんて思わなかった。
できれば一生経験せずに死にたかった

むしろ今死にたい。
殺してくれ


衣擦れすら辛い今の俺には、常識とかプライドとか存在しないらしい

さっきの男にギリギリまで追い詰められ、理性の欠片も残ってはいない




「…なんか薬やられたんですか?」

「ん……酒に、入れたって」

「油断しすぎです」




ため息をついて、龍士は個室のドアを閉める

鍵がかけられ、無意識のうちに身体が期待で震えた



俺ってやっぱ変態なんだ




「誰が来るかわかんないから、静かにしててくださいね」

「……ん…」




龍士は俺を便器に座らせると、さっき外されかけていたベルトを、なんのためらいもなく外した

そのままズボンの前をくつろげる



兄弟だからか、やっぱマスターに似て男前。
龍士の方がヤンチャっぽくて、無表情だけど


こんなことお願いしてもきいてくれるところは、俺が何しても笑って許してくれるマスターの優しさと似てる




「ッ、ぅ……」




やっぱ勃ってる


昨日も有村に触られたまま結局ヌいてねーから、余計敏感になってるかも




「嫌だったら、言ってください」

「…―っ、ッ…!!」




パンツまでずらされ、直接触られた。
頭の先まで突き抜けるような刺激に、ビクリと身体が震える。
たまらず唇を噛みしめた


嫌だったらって、俺のセリフだわそれ。
ほんとすいません




「ッ、ぅ、ん…!」




するりとしごかれて、感じたことのない激しい快感に脚が閉じそうになる。
足の間に龍士がいるから、それはできねーんだけど


やべー、何この状況。
俺絶対危ない世界に片足突っ込んでるよな




「久瀬さん、どこがイイですか?」




ぐちゅぐちゅと擦り上げられながら聞かれるも、どこも良すぎて冷静に頭がまわらなかった

口を開くと、意味のない言葉がこぼれる




「……辛そうですね…」




どうやら俺は泣いていたらしく、龍士が左手で目尻を拭った


たぶんこの快感についていけてねーから、生理的な涙だと思うんだけど




「い、い……っ、大丈夫…」




首をふると、龍士は手をすぼめて一気に動きを早めた




「ッや……ふぁ…!」




ヤバイヤバイヤバイ!

いきなりこんな激しくされたら、声抑えらんねーからっ…!




「…りゅー…!あ、あ、そこ、そこ…っ…!」

「気持ちいいですか?」

「んー…っ、…!」




手錠のせいでしがみつくこともできず、力が入らない身体を壁に預ける

するとそれを見た龍士が、俺の身体を自分の肩にもたれさせた



全然力が入らなくて、そのまま優しさに甘えることにした。
人の首筋なんかこんな近くで見ることねーから、変な感じ



香水とかじゃなくて、龍士の少し子供っぽい匂いが安心する




「声ガマンすんの辛かったら、俺の肩噛んでていいですよ」

「んっ……いい、ッ…」




噛むとか絶対ムリ!
加減できねーし、痛いだろ!

なんでそんな優しいの?
龍士の半分は優しさでできてんの?



あー、もうヤバイかも

人の手ってだけで、なんかスゲー感じる




「りゅう、じ、もー……イきそ…っ…」

「うん、いいですよ。このまま出してください」

「……きたねー…って、」

「触ってって言ったくせに、そんなの気にするんですか」




龍士が俺の方を向いて笑うもんだから、顔がめちゃくちゃ近くて急に恥ずかしくなってきた

こいつ、笑うんだ。
笑った顔はあんまりマスターに似てない



優しく頭を撫でられ、こいつが年下だって忘れそうになる




「…誰か来ますね」




龍士の言葉に、俺は少し顔を上げた



なんでこんなタイミングで来んの!?
もうちょっとなのに、日頃の行いが悪いのか、くそ



確かに言われてみれば、こちらへ歩いてくる音が静かなトイレに響いていた。
言いながら、龍士は手の動きを止めてくれない




「龍士、や、待って、て…」

「せっかくイきそうなのに、今止めれません」

「…っ、声……出るから…!」

「噛んでいいですって」

「で、きるか、ばか……ぁ、あっ」

「……っ、たく…」




龍士の困った声



だって、俺人のこと噛んだことねーし。
女の子に噛まれたことあるけど、マジで痛いんだぞ

それならがんばって声抑えてみるから




「久瀬さん」




龍士の肩に顔を埋めて堪えていると、頭をぽんぽんと叩かれる



ギィ、とトイレのドアが開く音がして、誰かが入ってきた



何、と声は出せないので龍士の顔を見る

至近距離で目が合った。
口の端の傷はもう血が固まっている。
見てるだけで痛そうなんだけど



たぶんアホみたいな顔で見る俺に、龍士は吸い付くみたいに唇を重ねた




「…っ、ッ!!」




静かにしろ、と視線が語る



これなら声は出ねーけど、なんかいろんな罪悪感と背徳感で頭がいっぱいになった

なんなのこれ。
俺がバカなばっかりに龍士にこんなことまでさせて、情けなさすぎて死にたくなってくる




「……っ、」




幸い入ってきた男は、トイレをしながら鼻歌を歌っていた。
くちゅくちゅと漏れる音ぐらいなら気付かないらしい


龍士は容赦なく俺の舌を絡め、吸い上げる



そこも敏感になってんのに、お願いだからやめて!



上も下も身体中、味わったことのない快感攻めに、頭がぼやけて何も考えられなくなってきた

正直ダメだってわかってるのに、気持ちいいと思ってしまう。
もっと、と身体が快感をねだる



すると龍士はいきなり手の動きを緩めてしまった。
止まったわけではないものの、ゆるゆると焦れったい手つきに身体中の熱が行き場をなくす




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