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好きなんだけど!
ゆめゆめまぼろし(中×有)




※中野×有村です。ご注意ください!

一応、笹川と出会う前(片想い時)設定です。








「あ、っあ、んッ」




開きっぱなしの口から、自分でも聞いたことない声が漏れて、ぼんやりと覚醒した


強烈な快感に、下腹部に力がこもる




「何、気持ちいい?」

「んっ、ぅ、ふみやさ、ん…っ?」




薄暗い部屋で、まだ完全に覚めていない頭をフル回転させた



俺の部屋のベッドの上

文哉さんも、それにまたがる俺も全裸で、結合部からは濡れた音が響く。
俗に言う騎乗位ってやつ



なにこれ

どうなってんの



俺と文哉さんがセックスしてる。
夢にしては、たちが悪い



……




頭がぼーっとして、何も考えらんねぇ


なんでこうなったんだっけ?
文哉さん達と飲みに行ったのは覚えてんだけど

ただ初めての刺激に、頭がついていかない




「あー、やっと目ぇさめたん?」

「ッ…なに、これ」




遠慮なく下から突き上げられ、ふわふわとめぐる思考すらぶっ飛んでしまった

かなり酒が回ってるであろう頭は揺さぶられる度、気持ち良くて考えることを拒否する



力の入らない身体で、文哉さんの上に倒れ込んだ。
やっと、突き上げが止まる



と思ったのもつかの間、ぐるりと身体が反転し、軽い衝撃と共にベッドへ押し付けられた。
真上には、文哉さん。
かろうじて灯る電気の微灯の逆光で、表情すらわからなくなってしまう




「おかしなったままやから、どーしよーか思てたとこやわ」

「あの、俺、なんで…」

「全然覚えてへんやろ」




はい、と頷いた


ドラマの撮影があって、打ち上げでスタッフとか共演者みんなと飲みに行ったのは覚えてる。
みんな結構酔ってて、俺も20歳になったばっかだから、お祝いとかって飲まされて



それから、なんでこーなったのか分からない




「言うとくけど、俺が襲ったんちゃうからな」




さすがにそれはない、と言われても、この状況ではなんの説得力もない。
まだ下半身には異物感




「お前が、男とのヤリ方教えてくれって言うから」

「…っ、口で教えてくれれば…」

「人が必死に説明してんのに、分からんからやれって言うたん、誰やと思う?」




俺には好きな人がいて、それが男で


そう言えば、そんなことを話した気がする。
なんでか文哉さんはそっちのことに詳しくて、少し前から相談にのってもらっていた



そりゃ、いざって時に分からないなんて言いたくなくて、知識だけでも、とは日頃から思ってたけど




「……うそ、だ…」

「お前なぁ…」




俺の言葉は自分に向けたもので、文哉さんに言った訳ではなかったんだけど

文哉さんは自分に言われたと思ったらしく、ピクリとこめかみを引きつらせて笑う。
少し目が慣れてきたらしい。
頭もだんだん冴えてきてる気がした



文哉さんのため息が聞こえたと思ったら、その直後に忘れかけてた下腹部に快感が走る




「っ、あ、!」

「ここ……気持ちいいから好きって言うてたし」

「言っ、て、な…っん…」

「気持ちいいやろ…?俺今、お前よりお前のええとこ、知ってるわ」

「や、待って下さい、俺、っ」

「認める?」




認めるも何も、文哉さんは飲んだ勢いでこーゆうことする人じゃないのは、短い付き合いでも分かってた

酒も強いし、そうなれば文哉さんの言ってることが本当な訳で



肯定の意味で、首を縦に振る

未知の快楽に頭がおかしくなりそう




「スタッフの1人がな、ビールや酎ハイやなんやって全部ちゃんぽんしよって」




ぐりぐりと押し付けられ、文哉さんが言うこともぼんやりとしか頭に入ってこない

意地の悪い笑みで、俺の前髪を掻き上げた




「お前が間違えて飲んで、すぐぶっ倒れたん。覚えてる?」

「っ…」




首を横に振る


その時にはもうだいぶ酔ってたはずだから




「ほんで、ここまで送ってきたら、お前に襲われたってゆーイキサツ」




襲ったのか、俺が



てゆーか




「文哉さんだって、勃ってるじゃ、ないですか…っ」

「それは、俺もびっくり」




言いながら、俺の中のモノは相変わらずガチガチで、びっくりなんて口だけなのかと思ってしまう

でもそれも本当らしく、困ったような笑みを浮かべていた




「俺もたいがい酔うてたけど……舐めてるお前見たら、まぁいけるかな、と思った」

「……舐めるって…何を…」

「何って、ナニやろ」




俺が、文哉さんのナニをナニしてナニで、あれ?ってマジでうそだろありえねーってさすがにそれは




「…冗談ですよね…?」

「さぁ」




冗談でこーゆうこと言わないのも、分かってる。
でも、認めたくない事もある




「冗談でええんちゃう?これも、全部」

「ん、ん、っ……!」

「明日になったら、お互い忘れるってことで」




できればそうしてもらいたい

俺だって、終わるまで泥酔してればよかったのに



なのに



どーすんだよ、この状況




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「ッ、ぅ……」




あまりの眩しさに、目が覚めた


窓から差し込む光に目を細める。
鋭く痛む頭に、思わず顔をしかめた

起こそうとした身体にも、鈍痛。
鉛みたいに重くて、指一本すら動かしたくない




「……あ…」




無理やり持ち上げた手に触れたのは、あるはずのない人肌。
見慣れないTシャツに、ギクリと心臓が跳ねる

一瞬で昨日のことを思い出した




「んー……ゆう、ま…?」

「…文哉さん…」




カラカラに渇いた喉で、精一杯なんでもないような声を出したのに、結局情けない声になってしまう


メガネのない文哉さんが、どうしても昨日の夜のことを思い出してしまい。
Tシャツを握る手に汗がにじむのが分かった



まだ眠そうな目で、ぼんやりと見つめられる




「悠馬……おはよー…ーって、え、あ、えぇっ!?」




突然の大声

驚く俺はよそに、文哉さんは慌てて身体を起こした




「ちゃうねん、俺、お前より早よ起きて帰るつもりやってんけど…!」




昨日の妖艶な姿とはまったく別人。
急いでベッドから降りようとする文哉さんのシャツを、無意識に握っていた

後から気付いて、顔が熱くなる




「あの…別に、いいです。風呂、入ってって下さい」




顔が見れなかった


うまく言えただろうか

今まで言ってきた、どんなセリフよりも難しかったと思う。
気まずいなんてもんじゃない。
この間のバラエティで、マネキンに告白するっていう罰ゲームの時より、恥ずかしい



固まったままの文哉さんも、なんでもいいから何か言ってくれ

大体俺が悪いんだから引き止めたのに、文哉さんがそんなに気使わなくてもいいはずだろ




「悠馬」

「…はい」




なんとか顔を上げると、文哉さんが気まずそうに俺の前に座った

そういや俺も服着てんだけど、これも文哉さんがやってくれたんだろうか




「えーと……とりあえず謝らして。ほんまごめんなさい」




突拍子もない言葉に、なんて答えていいのか分からなかった。
クセのない黒い髪が、寝起きで少し乱れてる




「……なんで、文哉さんが謝るんですか」




嫌味でもなんでもなくて、純粋にそう思った。
俺だってまだ謝ってねーのに、先に言われると困る




「いや、それが…」




言いにくそうにベッドを見つめて、持て余した指でシーツのシワをなでた。
部屋に微妙な空気が流れる




「…別に、拒否ろうと思ったら拒否れたし」

「……?」

「俺なんかほとんど酔うてなかったのに……なんか、お前が誘うん見たら…ちょっとぐらい、ええかなーとか、思って…」




突っ込むつもりはほんまになかってんけど、と小さめの声で付け加えた

俺が誘ったという事実に、また羞恥が込み上げる。
もう自分でも、どんな顔してんのかわかんねぇ




「お前が気持ち良さそうなん見たら、ガマンできひんようなったって言うか…」

「詳しく言わなくていいです」

「あ、はい」




なんだこの空気


初々しいカップルみたいな、うすら寒い空気。
何を言ってもダメな気がする




「悠馬」

「…はい?」

「もうこのことは忘れよ。俺この空気耐えられへん。かゆい寒い死ぬ」

「……最低だと思いますけど、同感です」




真面目な顔で、何を言うのかと思った


でも、ほんとにこのままじゃ気まずいだけで。
手を離して、少し高い位置にいる文哉さんを見上げる




「今日、休みですか?」

「夕方から仕事」

「急がないなら、ゆっくりしてって下さい」




結局お互い様だし、俺だって怒ってるわけでもない。
急かして追い出すのはさすがに酷すぎると思ったから言っただけで


誰も、もう一回押し倒してくれなんてつもりで言った訳ではねーんだけど




「あの……何してるんですか。退いて下さい」

「悠馬くん」

「…はい?」

「忘れる前に、もう一回とか、どう?」

「意味わかんないですって」

「いや、俺も意味わからんねんけど」




俺を見下ろして、文哉さんは困ったようにため息をついた




「なんか、ムラムラした」




ため息をつきたいのは俺だ。
なんだって、シラフでこんなこと


忘れようって言ったとこだろ




「文哉さん、ダメですって!」

「ダメ?……イヤじゃなくて?」

「イヤです!」

「うん、ごめん」




ごめんなんて、これっぽっちも思ってないような笑顔で言う


キャンキャンとうるさいであろう俺の唇に吸い付いて、簡単に俺の両手を縫い付けた。
舌が絡むと、忘れてた痺れが蘇る



頭がぼーっとして何も考えられなくなる頃、やっと唇が離れた

目の前の文哉さんの顔が、ニヤリといやらしく歪む




「忘れられんようなったら、ごめんな?」




心にもないことを



俺が服を握りしめたのを肯定と取ったらしく、更に体重がのしかかった



くらりと眩暈がした




≫END




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初めてリクエストいただきました【中野×有村】でした!


中笹か中有とのことで、迷わず中有にしました。
なんておもしろいリクエストなんだろうか、と(*´_ゝ`)
これを逃すと一生書く時ないよね、とか思ってしまった私貧乏性!!←
でも楽しかったですヽ(^ω^)ノ

そして難しさに撃沈しましたorz
無理やり感半端ないってゆう、ね!



またお時間あればリベンジしたいです。
中笹も書きたいなぁ。






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あきゅろす。
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