名前変換無極短小説
※狂・グロ・微裏…含有※
shortの小ネタになるので内容が被ることがあります
2013-05-18(土)
悪夢(不二)
これは夢なのに、腕にかかるリアルな重みが気持ち悪かった。
『―――――――!!!!!!』
止まれと叫んだのかやめてと叫んだのか自分でも分からないまま一気に意識が覚醒した。
「おはよう」
ぐっしょりと汗が制服にくっついている………ワケでもなかった。
やっと体も自由になったといわんばかりに汗がいま、出た。
「……?ふ、じ…くん?」
「別にうなされてる風でもなかったんだけど、いきなり息を詰まらせて起きたから悪い夢でも見てたの?」
ゆっくりと私の背中を叩く不二くんにすごく不自然さを感じた。寝起きで混乱してたし夢で不二くんが出てきたからと言う理由もあったけど。
「あ、の、ごめんなさい…」
やんわりと私を宥める優しい手から離れた。距離感がおかしかったからだ。
「……どんな夢を見たの?」
気を悪くした風もなく不二くんは微笑みを浮かべて立ち上がった。
「……忘れちゃった」
断片的には覚えている。
私は何かから逃げていて、その途中でポツンと道に置き去りにされた赤ん坊を見つけて私は赤ん坊を助けようと抱き上げて……
(何だったっけ…)
「そう。いい夢じゃなかったみたいだし、思い出さない方がいいかもね」
逆光で不二くんの顔が暗くなる。でもうっすら開かれた瞳は光を浴びてないのにギラギラしていて、思い出さない夢の中に感じた恐怖と同じような悪寒が体に走った。
(夢に不二くんがいた気がする)
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