名前変換無極短小説
※狂・グロ・微裏…含有※
shortの小ネタになるので内容が被ることがあります
2012-04-28(土)
夏が来る(零)
汗が気持ち悪いと感じるようになったのはいつからだろうか?
少なくとも子供の頃はシャワーなんか浴びなくても平気なくらい汗にまみれていた気がする、と、零は額から流れた汗がポタポタとアスファルトを濡らすのを見ながら思った。
(シャワーを、浴びたい…)
鞄を握る手の平も汗でヌルヌルしていて、不快指数がグンと跳ね上がった。
「零!ぜーろ!」
「うわぁ!」
ガバリと背中と首に湿った肌を感じて零は跳ねた。少し体をひねると見慣れた幼なじみの少女の顔。
「やっと気づいた。ずーっと呼んでたのに零ったらゾンビみたいでさ!」
「お、ま、暑い!」
強すぎない程度にぺちんと頭を叩くと少女は頬を膨らまして零から離れた。熱が離れてほっと息を吐く。
「ぶー!ねぇ、図書館行くでしょ?」
零の少し前でターンをした少女のスカートがヒラリと広がる。それがこの体温と気温に合わない気がして何故か素直にうんと言えず零はぐぐっと口を結んだ。
「シャワー浴びてから行く…」
いつから幼なじみに優しく出来なくなったんだろうか。自分でもわからないもどかしさに零はイライラしていた。
「零ってば女々しい!」
そしてケラケラと笑う幼なじみから吹く風は湿っていて熱くて、なのに甘い匂いがした。
また夏が来るんだと零は空を仰いだ。
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Ciao!Ciao!
Buonanotte!
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