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名前変換無極短小説 ※狂・グロ・微裏…含有※ shortの小ネタになるので内容が被ることがあります
2010-04-29(木)
溺死(僕レッド)


動け、心臓。
心臓マッサージなんてよく分からなくて必死に胸あたりを叩いた。それでも思い切りたたけずに、彼女の顔色はもう死人のそれになっていた。体に服がまとわりついて気持ち悪い。浜辺には自分が切り刻んだドククラゲ。心臓が止まった彼女。必死に胸を叩く自分。


「ピカッ」


目をつり上げたピカチュウがボクの命令なしに彼女に電撃を与えた。びくんと彼女の体が数回跳ねる。まるで母さんが見ていたドラマのようで、本当に死んでしまうのかと息を呑んだ時、跳ねた彼女の口から海水が吐き出された。


「うっ…ゲホッゴホッ!」


生き返った、そう確認してボクは彼女を抱きしめた。彼女は不思議そうに目を瞬いて、ボクの背中をあやすみたいに優しく叩いた。子供扱いだ、と文句を言いたかったけど面倒で、何より、安心したボクがいたからされるがままになっていた。彼女がドククラゲの死骸を見て、「わぁ、スプラッタ…」とあまりに呑気に呻いたから殴ってやった。


「ふふ、ドククラゲに刺されちゃって溺れたのねぇ」


コロコロと鈴が鳴るような声で笑うからボクは何も言えず、切り刻んでしまったドククラゲを2人で砂浜に埋めた。


「ありがとう、そしてごめんなさい」


私はレッドくんが大好きなポケモンを殺させたのね、と呟いた彼女にボクは小さくため息を吐いた。ボクは貴女の方が好きだから、当然なのに。でもそれを告げると良い大人代表の彼女が泣いてしまうことが目に見えていたから、ボクは黙ってドククラゲの触手の欠片に土をかけた。




ボクの内に育つ愛は純粋なボクを蝕むと純粋な貴女は説いた。
(ねぇ、貴女のために殺したポケモンなんて沢山いるよ)





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小学生レッド上等!


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Ciao!Ciao! Buonanotte!
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