(ゆととでねぶが女体化な学パロ)
誰もいない昼休みの屋上。双子の姉とのランチタイム。今日は珍しく椎茸が入ってなかった文句無しに美味い弁当を食べ終えるころ。
「侑斗、聞いてくれ!俺、脱処女したんだ!!」
「・・・・は?」
俺の可愛い可愛い大切な(なんて死んでも言わねーけど)姉貴がとんでもないことをほざきました。そーゆーことに疎いデネブが恥ずかし気もなく脱処女宣言をしてくれた訳で、優雅に終わるはずだったランチタイムは最悪のどん底に落ちていった。主に俺の気分と機嫌が。
つーか、誰だ俺のデネブを汚したのは!!!!!
「・・・てな訳で、誰がデネブの処女を奪いやがった!」
「いや、そんなの僕に聞かれても困るし。ていうか、本人に聞きなよ。」
デネブと別れ教室に戻りさっそく野上に相談したところ呆れた顔で言ってくれる。それが出来れば苦労はしない、察しろ馬鹿阿呆不運野上!
「侑斗、ここで犯されたいの?」
「ごめんなさい。」
野上の読心術は今日も絶好調らしい。迷惑な話だ。
「侑斗?」
「ごめんなさい。」
なんて、そんなことはどうでもいい。とりあえず脱処女ということはセックスをする相手、デネブに彼氏がいるというところから始まる。でも、あの超鈍感娘に彼氏なんかができるのだろうか?「付き合ってください」と言われたら「あぁ、どこに付き合えばいいんだ?」とベタな勘違いをする。仮に彼氏ができたとして、あのデネブだ、顔が緩むに決まっている。俺がそれに気づかないわけがない。彼氏はいないという事だよな・・。
「じゃあ彼氏じゃなくて援交とかのおじさんじゃないの?」
「デネブは援交なんかしません!!」
「・・・お母さんみたいだよ、その台詞。」
でも本当にデネブは援交なんかするヤツじゃない。そんなふしだらな子に育てた覚えはない。
「いやだから侑斗、君、お母さんポジションじゃないでしょう?台詞がお母さんだよ?」
「うるさいっ!ていうか、俺の心を読むな!いやらしい!!」
「意味わかんないよ!?ちょ、侑斗キャラ崩壊してるから!」
「そら崩壊するってばよ、デネブが脱処女だお?ありえないんですけどぉー!」
「誰!?;」
デネブの脱処女がショックすぎて自分のキャラすら掴めなくなってきた。俺はツンアホ!ツンアホ!!
野上が俺から数歩引くのが分かった。いつもは野上の変態っぷりに俺が引いているのに立場が変わったみたい。野上はずっと後ろに座る亀野郎のところに走っていったらしい。ああ、姉の一大事だというのに自分の恋人が他のヤツと喋ってるの見ただけでイライラしてる、そんな自分にもっと腹が立つ。うわ、亀野郎こっち見てニヤニヤしてやがるし、ムカつく野郎だな!
「侑斗?」
「は、ぁ、え、デネブ?」
そんなイライラから覚ますようにデネブが笑顔で現れた。遠く離れた教室からわざわざ来てくれたのかと思うと顔がニヤケる、がツンデレだから仏頂面になる。
「なにしに来たんだよ、教科書借りに来たのか?」
俺はデネブの次の授業教科が数学だったことを思い出し鞄から教科書を取り出し渡した。が、受け取ろうとしない。
「・・・おい、デネブ。いらねーのか?」
「教科書を借りに来たわけじゃないんだ、ただ会いに来ただけ。」
姉貴の柔らかい笑顔に癒される。さっきまでの醜い自分のキャラと感情が洗い流されるような気がする。
「そんな、別に家でまた会えるだろーが。」
なんて、素直に嬉しいと言わず返せばキョトンとした顔でデネブが俺を見た。え、なに。
「亀タロスは家にいないだろう?」
「・・・・・・・・・は?」
「俺は亀タロスに会いに来たんだぞ、侑斗。」
そう言ってまた柔らかい笑顔になったデネブはそれを俺にではなく、亀野郎に向けた。なんだそれ。なんだそれなんだそれなんだそれなんだそれなんだそれなんだそれなんだそれなんだそれなんだそれなんだそれなんだそれ!!!
じゃあなにか、彼氏ってのは亀野郎ってか!いや寧ろあいつは援交のおっさん以下だ!!前から仲いいから表情変わらなかったのか!あのナンパヤローのアタックならいくら鈍感なデネブでも気づくよな!あいつに言われたから脱処女宣言恥ずかしくなかったのか!あぁあぁあぁあぁ、これで全部辻褄が合うじゃないか!!!!
「 さ い あ く 」
あの亀は欲張りだ
(俺の大切なものを
全部奪っていくんだ)
「で、浦はなんでまた僕の可愛い侑斗を虐めるのかな?」
「だって良太郎が僕の手から逃れちゃったから。」
「君は欲張りなんだよ。」
「欲張りは僕ちゃんだよ。何もしないで愛情だけ貰おうなんて。」
「そーゆー馬鹿な子だから可愛いだよ、浦。」
「良太郎、悪趣味。」
「君には言われたくないよ。」
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