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公認の仲。





「いってきまーす。」
「海馬くんによろしくな、遊戯。」
「はーい。」





土曜日の昼下がり。


今日は遊戯は海馬邸にお泊まり。
それが当然のようになってから、随分経った気がする。





“遊戯と付き合ってます。”


突然訪ねてきたかと思えば、そんな冗談のような発言をした海馬コーポレーション社長、海馬瀬人。





……最初は、青眼の白龍のカードの件かと思った。


親友から譲り受けた青眼の白龍のカードを目の前で破り捨てた、双六にとっては因縁のある相手。
ただ、双六自身には海馬を責めるつもりはもうなかった。


自分と対峙した時にその瞳から見え隠れした、狂気とも思えるような暗い何か。
暫く後で、遊戯から少しだけ彼の置かれていた境遇を聞いた。


時折テレビのニュースで姿を見かけたが、今の彼にはあの時のような暗い物は感じられなかった。
もし謝罪の言葉が出たならば、もう気にしていないと言うつもりだった。





……そのつもりだったのだが。





「遊戯と付き合ってます。」





「「…………は?」」


突然の訪問に驚きつつも、立ち話もなんだからと家に上げて、ママさんにお茶を出してもらい。
どんな用事で来たのかを訊ねてみれば、返ってきたのは先程の言葉。


……その場にいたママさん共々、呆けた声が出てしまうのも無理はないだろう。


「ちょっ!?急に何言ってるのさー!!?」
「こういうのは身内には報告しておくべきだろう。」
「それはそうかもしれないけど!」
「モクバは知っているのにおまえの家の者達が知らないのは、後々不自由だろう。」
「それもそうかもだけど……せめて心の準備くらいさせてほしかったよ……」


目の前で繰り広げられる言い合いに呆気にとられるが、先程の言葉を否定しない遊戯にそれが現実だと思わされる。


「……遊戯や。」
「!はいっ!?」
「今、海馬くんが言ったこと……その、本当なのかい?」


顔を真っ赤にして、躊躇いながらも頷いた遊戯。


「……そうかい。」



「……じいちゃん?」
「あまり、羽目を外し過ぎんようにな。」
「え……それじゃ!?」
「ここで駄目だと言っても、海馬くんのことじゃからワシらが認めるまで家に来るじゃろ?」


それに、先程の二人のやり取りを見ていれば、横槍を入れるのも野暮というものだろう。


「……じいちゃん。」
「うん?」
「ありがと。」


ほっとしたような表情をして、海馬に向き合う遊戯。





(ほっほ、これは……)





海馬が遊戯をどう思っているかは、それを見れば充分理解できた。





ほんの刹那、わずかな変化ではあったが。





確かに海馬は笑っていたのだった。





END



あとがき。


…………


……


すみませんでしたー!(土下座)


遅筆も遅筆、リクエスト受けてから一年近く経ってるじゃないか私……


本当、しばらく文章が思うように書けなかったのと、ラストがなかなか思いつかなくて……


有紀依紅サマ、あまりにも遅すぎるアップで申し訳ありませんι
書き直しはいつでも受け付けます!




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