ひゅーご×りおん

▼りおん視点


僕の気持ちなど
全く無視をして
ただ命令を与える。
そんな貴方が
ときどき見せる
優しさ。

その"ときどき"が
僕をつかんで
はなさない。

『エミリオ』
「はっ…お呼びでしょうか」
『近頃は寒くなったな』
「冬になられましたから」
『そうだな』
「僕をお呼びという事は任務でしょうか」
『いや』

――?

『マリアンがプリンを作ったそうなのでな。一緒にどうだ…?』
「ヒューゴ様…?」

そして僕は執務室へと
連れられた。
まず、一番最初に
目を奪われるのは
壁にかけられた
大きな肖像画。 ――僕の母
クリス・カトレット

『ほら、エミリオ』

コトン、とテーブルに
白い皿の上に乗せた
プリンがふたつ置かれた。

『食べよう』

いつもとは違う父。
いつもは冷たく僕に
接するはずなのに
今日はどうして…?

『マリアンから大好物だと聞いておるぞ?』

僕の顔をみて
優しく微笑む。
いつもとは
まるで違う態度に
僕の胸はドキドキ
高鳴る。

「ヒュー…ゴさ」
『父上で良い』

僕は初めて
貴方の優しさに
触れた気がした。
貴方の気まぐれの
優しさに僕は
溺れてしまう。

そして改めて
気付く。

「ち、父上…」

僕は貴方が
大好きなのだと―

end

10.1.3


あきゅろす。
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