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 彼女のウワサ 


かつての同級生たちはどうしているだろう?
クラスで一番美人だった、彼女のウワサ話に花が咲く。

三十年振りに中学校の『同窓会』を地元ですることになった。
そこに現れた彼女とは!?

『この小説は「創作工房 群青」の1月の課題で漢字一文字【 変 】をテーマに書きました』


(表紙はフリー画像素材 photo 1.0 Hamed Parham 様より、お借りしました)


     初稿 novelist 2012年1月 文字数 10,912字
     カクヨム投稿(ふしぎ脳) 2017年1月9日 文字数 12,761字








 人の変化が一番よく分かるのは、何んといっても『同窓会』だろう。
 変わった人、変わらない人、いろいろ。――その人と何十年も会わなかった間に辿ってきた人生。それによって、人柄や顔つきまで変わってくるのだから、会わなかった空白の期間をギュッと凝縮して、その人の今を『同窓会』では見せてくれる。

 首都圏に特急電車で小一時間で行ける地方都市に住んでいる。
 大都会ではないが、地元にはデパートや大型店舗のスーパーもあって、何でも揃うし、生活するのにはしごく便利である。都会の無関心でよそよそしい感じがなくて、のどかで人情もあるし暮らしやすい土地柄だと思っている。
 地元中学を卒業して三十年、かつての同級生たちも不惑となり、社会人として仕事を持ち、家庭を築き、それぞれの生活を送っていることだろう。

『地元残留組』親睦会と称して、地元に残った中学校同窓生が集まって、ふた月に一度の割で飲み会をやっている。
 場所は同級生の元太(げんた)くんが経営する居酒屋『元さん』だ。そこには酒屋の店主の貴昭(たかあき)くんと介護士をしている英子(ひでこ)さん、夫婦で新聞販売店を営む知美(ともみ)さん、そして小野寺春奈(おのでら はるな)こと専業主婦のわたし。
 この五人が今日のメンバーだった。




「みんな、どうしているんだろうね?」
 英子さんがふいに呟いた。
 介護士の彼女は三年前に離婚してバツ1なった、今は大学生の息子とふたり暮らしだ。
「さあ、地元に居る人やこっちに実家のある人の噂ならよく聞くけどね」
 知美さんは一度も町から離れず、地元で知り合った旦那さんと新聞販売店を経営している。
 新聞の集金もやっているので、いろんな家庭の事情にも明るい。この町のことだったら、かなりの情報通である。
「東京とか都会にいけた奴が羨ましいよ」
 貴昭くんは地元の老舗酒屋の三代目である。
 ちょい二枚目の彼は、若いころから役者になりたくて、親に頼んだが許してもらえず、結局、店を継いで酒屋の主人に納まっている。
 最近では、お酒のディスカント店を三店舗経営して手広くやっているが、主に奥さんの商才だといわれている。
「はーい! 生中お待ちっ!」
 居酒屋『元さん』の大将こと山本元太くんは、中学卒業と同時に東京へ飛び出していった。
 新宿で水商売などやっていたようだが、四十歳になったとき、ふらりとこの町に帰ってきて、十坪ほどの小さな居酒屋をひとりで経営している。
「あっ、その生中はあたしのね」
 わたし、春奈は高校までこの町に住んでいた。
 大学、就職、そして結婚と数年間は東京で暮らしたが、夫もこの町の出身者なので、親の老後のことも考えて、ふたり目の子どもが生まれた時に、思い切って故郷にリターンしてきた『出戻り組』なのだ。

「――そう言えば、うちの旦那が去年、新聞店の交流旅行で熱海に行ったんだけど、そこで珍しい人に会ったらしいよ」
「何、だれ、だれ?」
「小椋麻耶(おぐら まや)って知ってるでしょう?」
「おぐらまやって、あの美人のぉー?」
 酒屋の旦那が素っ頓狂な声を出す。
「熱海の観光ホテルで会ったんだけど……そこで仲居さんやってたらしい」
「ウッソー、まさか、あの人が!?」
 英子さんが信じられないと声を上げた。
「仲居さん……て、ホントに?」
 あの麻耶さんのイメージに合わない。
「たぶん、うちの旦那が間違いないって言うんだ。着物に付けてた名札に『小椋』って書いていたし、顔も老けてやつれたけど、あれは小椋麻耶だったって、旦那は学年違うけど、学校でも目立つ美人だったでしょう、だから、よく覚えているって言うし……」
 知美さんの旦那さんは同じ中学の二年先輩である。ふたりは当時から付き合っていて結婚したのだ。
 ふいに思い出したように英子さんがしゃべり出す。
「そういえば……あたしが十年くらい前に、銀座で麻耶さんにバッタリ会ったときは、シャネルのスーツを着て、エルメスのバッグを持って、フェラーリから降りてくるところだったよ。偶然、通りかかって目があったら、向うから『英子さんでしょう?』て、声をかけてきて、近くのフランス料理店でランチを奢って貰っちゃった。その時は銀座でクラブ経営しているって言っていたわよ。すごく羽振りが良さそうだったけどねぇ……」
 みんなの話を聞いていた元さんが意味深な顔でボソリと話し出した。
「……二十年近く前になると思うけど……俺が新宿の風俗店でマネージャーやっていた頃に、ライバル店にすごい美人のソープ嬢がいると聞いて、偵察兼ねて買いにいったんだ。……で、誰が出てきたと思う“小椋麻耶”だった。あれは間違いない!」
「なにぃー、おまえはおぐらまやとやったんか!?」
 酒屋の旦那は恐妻家で、奥さんが怖くて女遊びもできない。同窓会みたいな集まりですら、奥さんの許可を貰うのに必死なのだ。
「ノーコメント」
 ニヤリと元さんが笑った。

 小椋麻耶(おぐら まや)は、私たちと同じ地元中学を卒業した同窓生である。
 彼女は裕福な家のひとり娘で、色が白くて、黒目がちの大きな瞳、黒くて長い髪、幼い頃から優雅な身のこなしで、いつもお洒落な洋服を着て、少女モデルかと思うほどの可愛らしさだった。
 近所でも目立つ白亜のお城のような屋敷に住んでいた。家が近かったので、小学校の頃には麻耶ちゃんとよく遊んだ。彼女の家にいくと麻耶ちゃんによく似た美人のお母さんが手作りのドーナツやケーキをおやつに出してくれた。
 広いリビングには白いグランドピアノがあって、麻耶ちゃんがよくピアノの練習をしていた。まさしく深窓の令嬢とは、こういう女の子のことを指すんだろうと思えるほどだった。
 なに不自由ない暮らしをしていた彼女だが、高校二年の時に、父親が事業に失敗して、屋敷も財産もなくし、借金苦で自殺してしまった。その後、麻耶ちゃんとお母さんは親戚を頼って東京へ引っ越ししていった。
 それから一年後くらいに、風の便りで、不幸なことにお母さんも病気で亡くなったと聞かされた。あのときは麻耶ちゃんを励ましてあげたいと思ったが、連絡先すら分からなかった。

「みんな、遅くなってゴメン!」
 遅れてやってきたのは市役所に勤める誠(まこと)くんだ。
 東京の大学を卒業後、地元に戻って公務員になった。
 堅実派の彼は、農協に勤める女性と結婚して子どもが三人、大きな家を建てて家族五人と愛犬二匹で暮らしている。
「誰の話をしてるの?」
「誠、おまえ“小椋麻耶”って覚えてるか?」
 酒屋の旦那が話を振った。
「ああ、覚えてるよ。もう七、八年前になるかなぁー、市役所の俺んとこに麻耶ちゃんから電話があってね。いきなり『昔、自分が住んでいた家を買い戻したいので、土地登記とか調べて貰えないだろうか、今はカルフォルニアに住んでいるけど、いずれ日本に帰ったら、その土地で暮らす予定あるから』とか言ってさ、そんなことを頼まれたことがあったんだ。まあ、俺で分かる範囲のことを調べて、一応書類を用意して置いたんだけど……それっきり連絡がこなかった」
「へぇー、カルフォルニアに住んでいるの? セレブな感じ」
「さぁ、電話で聞いた話だから本当のところは分からんよ。元さん、俺、焼酎の湯割り梅入りで」
「そういえば――だいぶ昔に聞いたウワサなんだけど……」
 酒屋の旦那が日本酒をチビチビ呑みながら、勿体つけて話し出す。
「うちの店は駅前のキャバクラにも酒卸しているんだけど、あそこの店長はいわゆるコレ……」
 人差し指で頬っぺに傷を描く。要するにヤバイ世界の人なのね。
「その店長が、うちの組長の愛人のひとりが、この町の出身者でマヤ姐さんと呼ばれてる、すんごい美人がいるって話してたことがあったなぁー、その時は“小椋麻耶”のことなんか頭に浮かびもしなかったけど……」
「それって極道の妻ってこと? あの麻耶ちゃんが信じられない!」
 英子さんが反論する。
「駅前のキャバクラなら、うちの新聞五部も取ってくれてたのよ。東京の知人の紹介とかで、すいぶん気前いいお客でありがたかったわ」
 知美さんまで、そんなこと言い出す。
 東京の知人とはいったい誰だ? もし、それがマヤ姐さんの差し金だとしたら……。
「あくまでウワサだけどさ、火のない所にウワサは立たないって言うでしょう?」
 酒屋の旦那も言い返す、そのことわざはちょっと違うような気もするが……。
「だけど、中学卒業してからン十年、かつての同級生たちが、今はどんな暮らしをしているかって気になるよね?」
 と、わたしが言うと、みんなが「うんうん」とうなずく。
「会いたいよねぇ〜みんなと……」
 英子さんが遠い目をして呟いた。
「同窓会やろうよ!」
 知美さんが叫んだ。
 そのひと言で、三十年振りに中学の同窓会をすることになった。

 幹事は言い出しっぺの知美さんと市役所に勤める誠くんがやってくれることになった。会場は二十人くらいまでなら居酒屋『元さん』でもやれると元さんが引受けてくれている。
 サポーターとして酒屋の旦那と英子さんとわたしも手伝うことになった。
 ――さて、三十年振りの同窓会にいったい何人集まるのか楽しみだ。

 一週間後、居酒屋『元さん』で同窓会の打ち合わせをした。
 私たちのクラス三年二組は卒業時に四十三人いたと思う。担任だった先生は高齢のため老人介護施設に入っておられて出席は無理だった。連絡先が分かった同窓生の人数が二十四人、半分ちょっとは連絡が取れそうだ。ほとんどの人たちが東京かその近郊に住んでいるらしい。
 それから悲しいことに故人が三人もいた。病死、事故死、ひとりはどうやら自殺らしいとの噂だ。そして消息不明が十六人、その中には“小椋麻耶”も含まれていた。
 あの日、みんなで麻耶ちゃんのウワサ話に花が咲いたとき、私にも彼女と……ちょっとしたエピソードがあった。
 ただ、それは悲しい思い出だったので――みんなの前では黙っていた。


 あれは東京の大学に通っていた頃だった。
 今と違ってこんなに交通の便が良くなかったので、私は親元から離れて下宿することになった。下宿といっても『女子学生会館』と呼ばれる女子大生専門の学生寮だった。そこには寮母さんがいて、食事や身の回りの世話をみてくれる。
 建物は三階建てで、各部屋は六畳ほどの洋間でベッドと机とクローゼットとユニットバスが付いていた。そこに地方から出てきた女子大生が三十人くらい暮らしていたのだ。
 当時は今と違って携帯が普及してなかったので、『女子学生会館』にかかってくる電話を寮母さんが各部屋の回線に繋いでくれていた。
『女子学生会館』では、大事な娘さんを預かっているという寮母さんの思いもあって、寮の門前は十時までと厳しく、遅くなる時には電話で連絡を入れないと、親に「夜遊びをしました」とチクられるのだ。――大学卒業までの四年間、私はそこで暮らしていた。

 ……たしか、あれは大学二年生の時だったと思う。
 その日、大学から帰ると寮母さんに来客が応接室で待っていると告げられた。この寮は男子禁制なので来客が女性だとすぐに分かった。
『女子学生会館』の応接室は十畳くらいの広さで、二組の応接セットと大型のテレビ、なぜかピアノが置かれていた。ドアを開けると、ピアノの音色が聴こえた。背中を向けてピアノを弾いている長い髪の後ろ姿が見えた。
「お待たせしました」
 声をかけると、振り向いたその顔は“小椋麻耶”だった。
 夜逃げ同然で、東京へいってから三年以上も音信がなかった、麻耶ちゃんの突然の来訪に驚いた。
「春奈、久しぶり」
 少し痩せていたが、相変わらず美人の麻耶ちゃんだった。
「ビックリしたよ。よくここが分かったね」
「――同級生だった人からここにいるって聞いて、近くまできたから会いにきたの」
 なんだか不自然な感じのする説明だし、よく見ると、麻耶ちゃんは粗末な身なりだった――。
 冬だというのにTシャツと擦り切れたジーンズ姿で、かつてのお嬢様ファッションの麻耶ちゃんの面影はどこにもない。手に提げた紙袋には着替えのような物が入っていて、まるで家出少女みたいだった。
「久しぶりにピアノに触った……」
 そういうと、彼女は愛しそうに鍵盤の上を撫でて薄く笑った。
 小学校からずっとピアノを習っていた麻耶ちゃんだったが、お父さんが事業に失敗、自殺以来、そんな余裕もなかったのだろう。
「ねぇ、今から食堂でご飯食べるんだけど、麻耶ちゃんの分も寮母さんに頼んで作って貰うから一緒に食べない。ここのご飯はボリュームがあって、わりとイケるよ」
「ありがとう!」
 よほどお腹が空いていたのか、嬉しそうに応えた。

 食堂でご飯を食べた後、寮母さんの許可を得て、今夜一晩だけ私の部屋に麻耶ちゃんを泊めることにした。
『女子学生会館』は規則が厳しく、一晩くらいなら女友達を泊めてあげられるが、何泊もとなると「ここはホテルじゃありません!」と寮母さんに注意されるのだ。基本、部屋主がいない時には保護者(母親)以外、誰も部屋に入れてはいけない規則である。
 一晩泊ったときに、どんな話を麻耶ちゃんとしたかは月日が経って、詳細に渡っては忘れてしまったが……。
 私の部屋にはベッドがひとつしかないので、ふたりで一緒に寝た。
 麻耶ちゃんの話では、頼っていった東京の親戚に冷たくあしらわれて、借金取りに東京まで追いかけて来られるし、紹介されて親子で働いた、住み込みの運送会社の寮の賄いは、独身の中年男性が多くて、何度も襲われそうになって、怖い目にあったので、そこを逃げ出した。
 仕方なく、夜の務めに出た母親は慣れない仕事で身体を壊して、あっけなく亡くなった。うしろ盾もなく独りぼっちになってしまい、高校を中退してから、繊維工場で働いたり、深夜喫茶でウェイトレスしていたという、そんな悲しい話をポツリポツリとしゃべっていた――。
 彼女は泣いたりはしなかったが、その方が余計に辛い心情が伝わってきて、聞いてて胸が痛くなった。
 今日の突然の訪問は、一緒に暮らしていた男とケンカしてアパートから追い出されたのだと言った。男に殴られたという、左頬が赤く腫れていた。

 翌朝、大学にいく私と麻耶ちゃんは『女子学生会館』を出て、最寄りの駅まで一緒に歩いた。ホームで別れ際に、
「仕送り前で、今これだけしかないんだ。少ないけど……これ取っといて!」
 電車に乗り込む間際に、麻耶ちゃんの手に一万円札を無理やり握らせた。そのまま、飛び乗り電車の窓から手を振り彼女とはそこで別れた。
 あの時、いつまでもホームで手を振る麻耶ちゃんの姿が切なくて、今も心に焼き付いている。
 新宿で仕事を探すと麻耶ちゃんは言っていた――。

 それから半年ほど経った、ある日『女子学生会館』に小包が届けられてきた。
 送り主の住所は書いてなかったが“小椋麻耶”と名前だけが書いてある。突然、麻耶ちゃんから小包なんて、「何だろう?」と開けてみると、ブランド物のハンドバッグが入っていた。
 デパートで買えば、たぶん十万円以上はしそうな、私たち学生の分際で持てるような代物ではない。そんな高級品をポンと麻耶ちゃんが送ってきてくれたのだが……嬉しいというより、なんだか気味が悪くて、そのバッグをほとんど持つことはなかった。
 あのブランドバッグは、駅のホームで麻耶ちゃんにあげた一万円のお礼のつもりだったのかもしれない。しかし……会いにもこないで高級品を送りつけるだけというのは、なんだかバカにされた気分であった。
 ――それが二十数年前の、私と麻耶ちゃんの思い出だった。





 居酒屋『元さん』で二回目の同窓会の打ち合わせがあった。
 連絡先が分かった二十四人の同窓生の内で、八人は体調不良や遠方なので行けないと不参加だった。
 消息不明だった人の内には友人に聞いたからと参加したいと言ってきた人が二人いる。現状では十八人が同窓会に参加予定だ。――まあ、卒業して三十年も経つのだから、そんなものだろうと思う。
 この人数なら居酒屋『元さん』でやれそうである。ついに同窓会が一週間後に近づいて『地元残留組』はわくわくしていた。

 同窓会の打ち合わせの帰り道だった。
 近所なのでいつも自転車で行っているが、その日は少し遅くなったので、近道をしようと、かつて麻耶ちゃんの屋敷があった道を通った。
 麻耶ちゃんの住んでいた屋敷は、彼女が引っ越しした後、三、四人持ち主が変ったが十年くらい前から、ずーっと空家になっている。
 この辺りは街灯も少なく、人通りもなく、今や住む人がいない、かつての白亜のお城は蔦に覆われ、窓ガラスやドアは壊され、敷地内は雑草が生い茂り、崩れたブロック塀には有刺鉄線は張り巡らされていた。
 廃屋と化した屋敷には、ホームレスが住みついたり、地元の不良たちがシンナーを吸うのに使ったりと……防犯上良くないので、早く取り壊すようにと自治会で運動しているのだ。

 気味の悪い場所なので、急いで自転車のペダルを漕ぐ。
 その時、自転車のライトが人影らしきものを照らした。廃屋の塀の前に女がひとり立っている。黒っぽいコートを羽織っていて、長い髪が風になびいて不気味な姿だった。
 自転車ですれ違いざま、ライトで顔が浮かび上がった、その女は痩せて、蒼白い顔色、眼光が鋭く、口元が歪んでいた。――ぞっとするような怖ろしい顔に、思わず背筋が凍った。
 いっぺんに酔いが醒めた私は、必死で自転車のペダルを漕ぐと、自宅まで飛んで帰った。


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