[携帯モード] [URL送信]


 ( ・ω・)<ツンギレのうちのなかよし にゃんこ兄弟 


最初に断わっておきますが……。

『ツンギレのうちのなかよし にゃんこ兄弟』の
モデルはうちの猫ではありません。
泡沫恋歌は大の猫好きですが、家庭の事情で飼うことができません。

そんな、ある日、小説の執筆中に検索していて、
たまたま見つけたのが、今回のお話のモデルの
うだま様の『ツンギレのうちの猫』シリーズの動画でした。

飼い猫のリク君とハル君の日常をビデオに撮って、
ニコニコ動画にアップされていたもので、
恋歌はすっかり気にいってしまい、執筆に疲れた時なんか、
よく再生して観ていました。





その内、うだま様のブログやホームページを
訪れるようになり [岩陰]・ω・` ) チロッ
今回、Twitterでうだま様とお話をさせて頂くことができて
ツンギレ猫の兄弟をモデルに作品を書かせていただくことになりました。

うだま様、ありがとうございますO┓ペコリ

表紙の写真やリク君とハル君がモデルの件はうだま様に了解済みです。





ニコニコ動画 ツンギレ猫リク君シリーズ http://www.nicovideo.jp/watch/sm15882858


   初稿 novelist 2012年5月頃 文字数 2,825字








ある町に住んでいる。
なかよしのにゃんこ兄弟のお話です。

お兄ちゃんのリク君はマンチカン、弟のハル君はアメショー
もちろん血のつながった兄弟ではありません。

だけど二匹はとってもなかよしなのです(ω゚∀^ω)ニャンニャーン♪



 ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。


とても月の明るい夜のこと。

飼い主のうだまさんのベッドの布団の上で
眠っていたはずの二匹でしたが、

「お兄ちゃん、お兄ちゃん……」
真夜中に弟のハルくんの声がします。
「ん?」
その声に、兄のリク君が寝むそうな目をやっと開きました。
「……ハル、どうかしたのか?」
「お兄ちゃん、ボク考えてたら寝られへんようになってん」
ハル君は京都生まれなので、関西風の猫言葉を話します。
「寝れないなら、お兄ちゃんがペロペロしてやろう」
そういうとリク君は弟の顔をペロペロ舐めはじめました。
「ちゃうねん、ちゃうねん!」
お兄ちゃんの趣味は弟の毛つくろいで、ペロペロが始まると
なかなか止まりません。
ペロペロペロ……

「もう、ええって!」
お兄ちゃんの顔に思わず『猫パンチ』をしたハル君。
「イテッ」
「あっ! お兄ちゃんゴメン」
「ヘーキだよ。あははっ」
やさしいリク君は弟に怒ったりなんかしません。
「ボク、お兄ちゃんに聞いてほしいことがあるんや」
「へ? なに? なんでも言ってみろ」
「あのなぁーボクら、いつもママにお世話になってるやろ?」
「ん? ママってだぁれ?」
「そこで寝ている人のことや」
「ああ、下僕のことか」
「下僕って……お兄ちゃん、下僕の意味知ってんの?」
「下僕って、こいつの名前だろう」
そう言って、寝ているうだまさんのほっぺを肉球でツンツンしました。
利口なハル君は下僕の意味をテレビを観て知っていましたが、
本当の意味をお兄ちゃんに説明するのはやめました。

ニコニコ動画では、自分のことを『下僕』と、うだまさん本人が
そう名のっているのですから――。





「ボクらを可愛がってくれるママに恩返しがしたいんや」
「それって、下僕の仕事だっていつも言ってるぜ」
弟には優しいリク君だけど、うだまさんには『塩対応』みたい。
「だけど、ボクらに美味しい猫缶食べさせるために
ママは毎日仕事っていうところへ行ってるんやで……」
「オイラたちが家でゴロゴロしている間も下僕は仕事しているのか」
猫のリク君には『仕事』いうものが、どんなモノかよく分かりませんが、
疲れて帰ってくる下僕を見て、大変そうだなぁーと感じていました。
「うん。ボクらでママにしてあげられることないやろか」
「――たとえば、どんなこと?」
「ママが喜んでくれそうな」
「だったら、オイラのいちごの毛布を貸してやってもいいぞ」
いちごの毛布とは、リク君の超・お気に入りの毛布のことで
肉球でモフモフすると気持ちイイみたいなのです。
「そんなのママはいらない!」
「そ、そっか〜?」
キッパリ言われて、リク君は『解せぬ』という顔になりました。

「ママの役に立って喜ばせたいんや」
「オイラたちにできることって……?」
じっと肉球を見ながら二匹は考えてみました。
「しいちゃんママさん家のラグドール、エリザベート皇后陛下は
黒い稲妻・ゴキブリを狩るらしい」
「すごいなぁー」
「しかも百発百中でゴキがバラバラにされるんや!」
「オイラには無理だ……」
情けない声でリク君が呟いた。

そしてハル君はバラバラになったゴキを想像して……
エグイなあと思ったのでした。
「うん。虫は気持ちワルイ……」




        ↑ エリザベート皇后陛下であります。



 ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。


「ママを喜ばせることができないなら、
悲しませないことなら、できるかもしれへん」
「下僕を悲しませないことって……?」
「ママが一番悲しんだことは、リク兄ちゃんの上に
もう一匹のお兄ちゃんがいたんやけど……
そのお兄ちゃんが病気になって虹の橋を渡ったときや」
「うん。下僕はものすごく悲しんだ」
「大好きなママに、そんな悲しい思いをさせたくない!」
泣きそうな声でハル君が叫んだ。
その声にリク君もすごく悲しくなった。

「ずっとママと一緒に暮らしたいんや」
「ハルと下僕とオイラと仲良し家族」
「そのためにはボクらもママも健康でないとアカン」
「からだをきたえるか?」
「お兄ちゃんはダイエットした方がええんちゃうか」
ハル君はモフモフすぎるリク君のお腹をみてそういった。
「エへへ、やっぱりそっかぁー」
「けど。無理せんでも、いつもどおりでええねん」
「だったら、オイラはよく遊んで、よく食べて、よく寝るのだ」
「なるほど、そのとおりや! さすがボクのお兄ちゃんやでぇー」
ハルにほめられて、自慢そうにリク君は『どや顔』になりました。どや!
「よく遊び、よく食べて、よく寝るぞぉ〜♪」
嬉しそうにリク君は節をつけて歌いはじめた。

『よく遊び〜♪ よく食べて〜♪ よく寝るぞぉ〜〜♪』

なかよしにゃんこ兄弟は声をそろえて歌いだしました。






にゃんこ兄弟の鳴き声にも目を覚まさず
うだまさんはスヤスヤ眠っています。


 ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。


朝がきて、うだまさんが目を覚ますと、
二匹のにゃんこは、布団の上でピッタリと
寄りそうように眠っていました。
起こさないように、そーっとベッドから抜けだすと、
リク君とハル君の朝の猫缶を用意します。


  ☆ いつもの朝となにもかわらないけど
    リク君、ハル君、にゃんこ兄弟が、
    きのうよりも、ずーっと『下僕』のことが
    スキになっていたことを――☆



ゆうべのお月さまはちゃんと知っていました。


                        
― おしまい ―




glitter-graphics.com




あきゅろす。
[管理]

無料HPエムペ!