何処へ居ても目立つ金髪、派手なスーツ。女性の興味を一心に浴びているのに、虚ろな目。だが、口だけはよく回る回る。やはり伊達にNo.1ホストと呼ばれているわけでは無さそうだ。
「よ、チンピラお巡りさん」
「チンピラは余計だ」
どういう因果か、こいつを顔を合わせると決まって、口喧嘩が始まる。嫌なのかと問われれば、そういう訳では無いような気がして、返答に困ってしまうが。
「おめー歌舞伎町の警察なんて大体やくざか、もしくはチンピラだろ?」
「うるせー。それでも俺は警察だ」
一応な、と危なげな発言をする土方に苦笑を漏らす金時。これだからこの男は面白いのだ。
「それと、」
一段声を潜め、耳元に口を寄せてきた。こいつ独特の色気があって、不覚にもどきりとしてしまう。
「あんまサツだって言うなよ」
「…へーへー」
自分で言っておいてなんだよと思いながらも、大概こいつには甘いんだよなー俺と自覚する。
「なあ、金時」
「…なんだよ」
急に、土方の声が甘くなる。経験上、良くない事が起こる前触れだと悟り、つい身構える。
「お前、これから時間あるか?」
「仕事もねーし、まあ暇っちゃあ暇だけど…」
ああ来るなこれは。
やべーな、
「…俺、次の日仕事で、大変だから…」
目を明後日の方向に泳がせる。
うっ何こいつ色気出しすぎなんだよコノヤロー
「何言ってんだてめー掘られる俺の身にもなってみろ。腰いてーんだよ、尋常じゃねェ位。ちなみにに俺は明日も明後日も仕事だ。」
「や、だからやんなきゃいいじゃん」
「うるせー俺がやりたい時にやる」
なんて女王様的発言。こうも開き直られると、もう反論できない。
「ほら、これで文句ねーだろ」
止めとばかりに札を前に突きつけられる。
びらっと、それはもういやらしく。
「アフターのみで」
「…まいどあり」
ふざけてみたら、頭を手加減無しに小突かれた。