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「今日の夕食は何にしようかな…」

昼休み携帯で夕飯メニューの選考材料を映し出す。
ほんと今の世の中便利だよね。
料理のレシピはネット上に常に広がっている。
プロの味から家庭的な味、世界の料理まで!!
…うーん、なんにしよう。

仕事で疲れて帰ってくる静雄さんには美味しいものを食べて貰いたい。
そう思うと料理も楽しいし、やる気が出る。
「うなぎか〜」
最近蒸し暑くなってきてるし、いいかも。
僕は何気なく、どこかの主婦の料理ブログを開いた。





あとは、冷やして、おしまい。
冷蔵庫におかずをそっとしまい込む。
静雄さんからのメールにはそろそろ帰れる、と書いてあった。
ご飯の準備は大丈夫。
初めて作るものもあったから時間もゆとりを持って、味見も十分にしたし。
最近はちゃんと静雄さんの好みの味も分かってきた。
美味しそうに食べてくれるのが、本当に嬉しくて。
大好き。
静雄さんの顔を思い浮かべ、思わず笑顔になる。
けど。
「…どうしよう」
暑くなる頬に、その場にへたりこんだ。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
だけど、やるしかないし。
違う、やりたい。
それも違う、してあげたい?
えっと、あの…もう一度サイトを確認した方がいいかな…?
携帯に手を伸ばすと、同時に着信音が鳴り響く。
この着信音は、静雄さん。
「ううう…」
嬉しいのだが、今はちょっとまずい。
ますます頬が熱くなるけど、これ以上待たせる訳にはいかなくて、通話ボタンを
押した。
『帝人?なんかあったか?』
出るのに躊躇われた時間で、静雄さんはすっかり心配になったみたい。
耳に飛び込んでくるのはちょっと焦った声。
「大丈夫です、すいません、ご飯の支度してて…」
『ああ、邪魔して悪かったな』
「いえ、もう終わりましたから。もう帰りですか?」
『おぅ、コンビニ寄るからなんかいるか?』
「じゃあ、アイスが食べたいです」
『わかった、すぐ帰るからな』
「はい、待ってます」
短い会話を終えて、深く息を吐き出す。
もうすぐ、帰ってくる。
いや、早く会いたいのだ。
でも、今日の決心が、まだ、うん、整ってないって言うか。
気持ちの、準備、ううぅ。
ご、ご飯の準備、しよう。
帰ってきたらすぐに食べれるように支度を整えて。
いつもの様に一緒の時間、過ごしたい。
お吸い物を温め直していると、ドアが開く音。
「おかえりなさい」
玄関にスリッパを鳴らしながら向かうと、ぎゅうぅと抱きしめられた。
「ただいま」
「はい、お帰りなさい静雄さん」
僕も背中に腕を回して抱きつく。
タバコのにおいと静雄さんのにおい。
優しい腕に包まれて幸せな気持ちになる。
「今日もいい匂いがしてんな」
「うなぎなんですよ!!」
「や、じゃなくて、お前が」
「なっ///」
慌てて腕の中から逃れると、笑顔の静雄さんと目が合って。
口付けを落とされた。
「…っ」
「ただいまのキス、だろ?」
頭を撫でられる。
僕、だって。
今日の僕はちょっと違うんですからね!!!
背伸びをしても届かないのは悲しいけど。
首の後ろに腕を回してぐいっと引き寄せた。
「みっ…」
触れるだけのキスでも、精一杯の行動。
「お、おかえりなさいの、キス、です」
目を見開いている静雄さんを置いてキッチンに駆け込んだ。
付き合って、結婚して。
それでも僕からキスするのなんて、数えるほど。
僕だって、したいと思うときには、積極的に…とは思う、だけど。
いつだって、さりげなく静雄さんがしてくれるから。
キスだけじゃなく、えぇっと、つまり、その先も。
いつも、静雄さんがリードしてくれる。
僕の望むように、と、優しく、大事に、とても大事にしてれて。
「ええと、あの、座って下さい、ご飯すぐ出しますから!!」
キッチンに姿を現した静雄さんに座るように促して、食事の支度を急ぐ。
うなぎ、づくし。
うん。
こ、今夜は、精を、つけて…だ、大丈夫。
「今夜はまた、気合い入ってんな」
並べられた料理の数々に感嘆の声を上げてくれる。
「はい、暑くなってきたんで…いつもお仕事お疲れ様です」
お茶を渡してテーブルについた。
嬉しそうに微笑んでくれる、その表情が、すごく好き。
「お前も、学生やって、ネット?の商売して、こうして家事まできっちりこなし
てくれて」
「いえ…全然です…いつも失敗ばかりで…」
「んなことねぇよ!!お前の料理が一番うまい!!!」
大きな声で宣言されたのと、お腹の音が重なって。
思わず目を見合わせて笑った。
「冷めないうちに食べましょうか」
「…おぅ」
照れくさそうに視線を料理に移し、二人でいただきます。
「うまいっ」
がつがつと勢い良くご飯を食べてくれる。
その姿もかっこいいなんて、ずるいなぁ。
美味しそうに食べてくれるから、本当に作りがいがある。
「しっかり食えよ」
「はい、静雄さんの食べっぷり見てたら僕もお腹が空きました」
「そうか?うまいからな、全部」
「あ、ありがとうございます」
「世辞は言わねぇ」
「はいっ」
もぐもぐと口を動かしてご飯を食べて。
静雄さんと一緒に食べるご飯はやっぱり、美味しい。
あっという間にテーブルの上の料理は綺麗に片付いて、ごちそうさまと手を合わ
せる。
「片付けは俺がする」
空になったお皿を重ねながら、そう声を掛けてくれた。
「ありがとうございます」
素直にお願いして、テーブルを拭く。
上機嫌でお皿を洗う静雄さんを見ながら、僕はまた緊張してきた。
知らず知らず体に力が入っていたみたいで。
「あ?どうした?んなこえぇ顔して」
水道の水を止めて、静雄さんがこっちをじっと見ている。
「え?どんな顔ですか?」
慌てて顔をおさえると、笑い声が聞こえ始めた。
「や、別に可愛いからいいけどな」
「なっ!!静雄さんっ!!!」
恥ずかしくて、手に持った布巾を投げつけてもいとも簡単に受け止められて鼻歌
交じりに洗われる。
「お前も疲れてるだろうから先に風呂入れ」
「いえ、静雄さんが先に…」
洗い物を終えて手を拭いている静雄さんがニヤリと笑って。
「じゃあ、一緒に入るか?」
僕は頬が一気に熱くなるのを感じながら、必死に顔を横に振る。
「そんな拒否しなくてもよ…」
しょんぼりした様子が可愛い、なんて思ったけど。
それでも、今日は、今日ばかりは一緒なんて無理だ。
「じゃ、じゃあ僕先にお風呂させてもらいますね」
「ああ、ゆっくり入って来い」
デザートのプリンを片手に僕を見送ってくれる。
すれ違い様にぽんぽんと頭を撫でられて、くすぐったい気持ちでお風呂に向かっ
た。








「え、ええと、う、うぅぅ」
入れ違いにお風呂に入った静雄さんを待つこの時間。
バスルームから聞こえる水音に、頭の中がぐるぐるする。
僕がこんなに緊張してる発端は、昼に見たブログ。
料理のレシピとともに、日々の日記なんかも書いてあった。
そう、それは新婚さんの生活。
そして、目に飛び込んだのは。
『料理上手は床上手』
の文字。
床上手?
なんて僕の知識には無い言葉を調べたのが始まりだった。
あああ。
どうしよう。
周りの人とそんな話をすることも無かったし、調べようともしたことなかったか
ら世間一般の新婚生活とはずれてたのかな。
でも、僕、したことなくて…。
上手く出来るかわからないけど、静雄さんが喜んでくれるなら、頑張れる…と思
う。
引かれたらどうしよう。
うわぁぁぁ。
これが原因で離婚とか、絶対嫌だ!!!
よ、よし、もう一度おさらいを…
「どうした?帝人」
携帯に手を伸ばしたところで、上から掛けられる声。
「ひゃあ!!」
びっくりして飛びのいたら、ベッドから落ちてしまった。
「なっ、なにやってんだ!!」
僕以上に慌てた様子で静雄さんが駆け寄って、打った頭を撫でてくれる。
「痛たたぁ、すいません…」
「びっくりさせんな…」
抱き上げられてそっとベッドに横たえられた。
撫でてくれる手は労わりに満ちて、優しい。
「今日、よっぽど疲れてるんだな。早く寝ろ」
いつもと様子が違う僕を心配して、布団を掛けてくれる。
おでこにキスをくれた静雄さんのパジャマの袖を、掴む。
「ん?」
浮かべられた蕩けそうな笑顔は、僕だけに向けられたもの。
好きで、好きで、大好きで。
その頬に手を添えて、唇を重ねた。
「…っふ」
たどたどしくはあると思うけど、唇を食み、舌を絡める。
驚いた様子ではあったけど、静雄さんもそれに応えてくれた。
ちゅ、と甘い音を立てて唇が離れ、至近距離で見詰め合う。
「…今日は、積極的だな?」
口の端を上げて、笑う彼。
そうですよ、でも、まだまだこれからなんですっ!!
その肩を押し、ベッドを背にするのは静雄さん。
あまり見下ろすことの無い姿が新鮮で。
「帝人…」
頬を撫でる手に自分のを添えて、微笑む。
「ちょっとだけ、僕に任せて下さい」
指先にキスを落として。
返事を待たずに、行動に移した。
もう、こうなったら、やるしかない!!!!
覚悟を決めて、ズボンに手を掛けた。
「なっ!!」
焦った静雄さんが止める前に、下着ごとずらしてまだ反応の見られないモノに手
を添える。
「帝人、なに、やって…」
僕の行動があまりに想定外だったんだろう、手をあわあわと動かすだけでどう動
くべきか定まってないようだ。
「…静雄さん」
正直に言おう。
今の今まで、僕は静雄さんのモノをまともに見たことが無かった。
なにこれ?
えええええ?
まだまだ大きくなりきってないよ、ね?
僕のとも、今まで見た事のある人(あ、修学旅行のお風呂とか、ね)よりも…大き
、い。
「あ、おぃ…帝人?」
しっかりとモノを握って動かなくなった僕を、遠慮がちに呼びかける声。
ちらりと視線を向けると、引きつった笑いを浮かべた静雄さんがいた。
「…あの、よ、無理はすんな…」
ぽん、と頭を撫でられて。
それで決心がついた。
「っ!!!」
ぱくっと音が出そうな勢いで、モノを口に含む。
「っは、おま…」
さすがに口には入りきらないので、両手を添えて、まずは先っぽを。
「んむぅ」
どうしたら、いいだろう。
裏筋に舌を這わせ、括れを唇で挟み込んで。
どうしてもらうのが、気持ちいい?
指先で竿の部分も扱いて、吸って。
唾液を塗りこめるように上下に舐め上げる。
「っく…ぅ…」
みるみる反応を示すモノに、僕も興奮してきた。
ああ、そうか。
見上げると静雄さんの気持ち良さそうな顔。
僕の行為で、こんなに、なって。
あ、なんだか、うん、すごく嬉しい。
もっと、してあげたい。
「…ふぅ、っ、みか、ど…」
髪を撫でてくれる手が、熱くて。
出来る限りを口に含んで行為を激しいものにする。
初めてだけど、いつも、静雄さんが僕にしてくれてるように。
気持ちよくなって、貰いたい。
水音が増し、口の中に苦い先走りが広がる。
「っは、ぁ」
静雄さんも肩で息をして、時折歯を食いしばって耐えているみたい。
舌で脈動を感じて、一層身体が熱くなった。
「くっ、み、みか…ど」
「…ぁ、ふぁ、い」
咥えたまま返事をすると、眉間に皺の寄った静雄さんに肩を押される。
「も、はな…せ…」
「や、れす…」
きゅっと強く吸って、両手をしっかりとモノに絡めた。
さすがに力が入らないのか、静雄さんは顔を歪めるばかりだ。
「…くそっ、も…ぅ」
イッてください。
言葉で返す事が出来ないから、懸命に行動で現した。
鈴口を舌先で割って、吸い上げると。
「っう」
熱い迸りが口の中に溢れる。
青臭さのあるそれも、静雄さんのだと思ったら案外平気だ。
せっかくだから飲んでみようと喉を動かせば、静雄さんが口に手を突っ込んでく
る。
「なに、やってんだ、吐け」
「ん〜んんん〜」
溢れ出てしまったのは諦めるとして、口に残ってたものは飲み干した。
それを見て、静雄さんは困ったように、でも嬉しそうに、複雑な顔で僕を見てる

「…まずいだろ、んなもん…」
「む〜静雄さんのだと思ったら、全然大丈夫ですよ?」
「お、前…」
口元を拭ってくれてた指先がわなわなと震えだした。
「静雄、さん?」
僕が勝手にしたから怒った?
でも、いつも静雄さんは僕の飲むし…。
顔を覗き込もうとしたはずが、あっというまにベッドに押し倒されてた。
「覚悟、しろよ?」
「…そのための、ご飯でしたから」
「ああ、やっぱりお前は最高の嫁だな」
最高の笑顔を見せてくれた静雄さんが近づいてきて、僕は目を伏せる。
まだまだ夜は始まったばかり。



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