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※帝帝別ver


自分がどうして此処にいるかだとか、どうやって生まれたのかなんて知らない。
だって、俺は【帝人】だから…。

ただ、【帝人】を守るために存在する。

例え、別の肢体を持っていようと俺達が同一の存在でなのだから、【自分自身】を守るのは当然だろ?

そう思っていた。
そう誓った。

だけど、本当に俺達は同一の存在なのだろうか?

だって、こんなにも【帝人】は美しいのに。

俺はー…。

俺はこんなにも汚れている。


【濡れた頬を拭えば】


ハラハラと帝人の瞳から涙が溢れて、床に小さな水溜まりを作っていた。

綺麗な透明な涙は修まることを知らないように後から、後から溢れ出していく。

俺はただ、それをみつめることしか、しない。

否、出来ない。

触ってしまえば、汚してしまいそうだから。
壊してしまいそうだから。

俺には出来ない。

今日だって【帝人】を守るために人をまた傷つけてきた。

見えない血液がまとわりついているのが解る。

そうやって、見えない血液にまみれてる俺が、血塗れの手で【帝人】に触るなど許されるはずがないんだ。

だから、伸ばした手も空中で宙ぶらりんの状態。

嗚呼、それなのに。

「ごめん…ごめんね」

綺麗な涙を流したまま、【帝人】は宙ぶらりんの腕を受け取った上に。

「泣かないで」

そう言って、渇いている俺の頬を拭ってくれた。

「帝人。俺は泣いてないよ」

「違う。本当に一番、泣きたいのは君のはずだもの。ごめん…ごめん。僕のせいだよね」

「帝人」

「ごめん…君を縛ってしまう僕を許して」

「…泣くな。俺が守るから」

「もう一人の僕…お願いだから、僕を赦さないで」


【君を守れると信じていた】


「違うんだ、帝人。俺が…俺が、お前に依存してるんだ」





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