※帝帝同体ver
帝人はよく泣く。
許容量を超えた、怒りとか悲しみとかいった様々な感情が涙になって零れ落ちるのだろう。
静かにポロポロと…。
まるで、真珠のような綺麗な涙が音もなく落ちていく。
『一人』になった時にそうやって帝人はなく。
俺は何時だって、それを見ていた。(見つめることしか出来なかった。)
【その頬を拭えば】
今日も帝人は泣いた。
自分が泣いているのに気づかないくらい静かにポロポロと、涙を溢していた。
きっと、また許容量以上の怒りや悲しみを受け入れようとしているのだろう。
こう言う時の帝人に俺が出来ることはない。
別人格に過ぎない俺が本当に帝人を救うことなど出来るはずがないのだから。
だって、俺は『代わり』でしかない…。
優しい帝人君が出来ないことをする『代行者』。
本当に大切な者を護ることも出来ない『役立たず』。
帝人のその頬に伝う涙を拭う手さえ、俺は持ってない。
嗚呼、帝人。
俺は本当にー…。
『帝人にとって必要な存在になっているか?』
「泣かないで」を言う権利さえない俺を…。
『本当に必要としてくれますか?』
【君は笑ってくれるだろうか】
それでも、俺は決して、帝人を『独り』にはしないから。(出来ないから。)
END
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