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駄文ですが、お礼小説です
(定期的に変更予定です)
あ、また目が合った。
授業中、静かな空間、絡まる視線。
私とあの人。
誰も気付いてない。
もう一回だけ。
そう言い聞かせ、また見る。
黒板の目の前、教卓の後ろ側。
生徒と先生。
誰も気付いてない。
■
先生の白衣、
私の涙■
「ナギサさんってなに考えてるか、全く分かんないよね」
「頭いいし、お金持ちで美人、なんかムカつく」
「男子もさぁ、もっと見る目養いなっつーの」
私はいつも一人だった。
行く価値のない学校。
受ける価値のない授業。
付き合う価値のないクラスメート。
一人でも平気だった。
一人が気楽だった。
……そう思っていたかった。
「ぅ……う…うぅ…………」
嗚咽が漏れる。
涙が溢れる。
目が赤くなっちゃう。
声が掠れちゃう。
泣き止まないと、そう思うほど泣き止めない。
私が何をしたの?
何故一人で居なきゃいけないの?
何故悪口言うの?
何故鋭い目で睨むの?
「…ぁ…うゎぁ………ぅぅ」
口に手をあてて、声が出るのを必死に抑える。
何で私がこんな事しなきゃならないの?
「大丈夫?」
「!」
声がした。
包み込むような優しい声が。
「大丈夫? 何か、あった?」
目を擦り、涙を拭き、後ろを向く。
赤くなった目で捉えたのは、今年の春来たばかりの新任の化学の先生だった。
「生憎ハンカチないから、ちょっとごめんね」
穏やかな顔を緩ませ、先生は私の顔を自分の胸に押し付けた。
白い白衣からは薬品の匂いが広がる。
「泣いていいよ。好きなだけ、泣いて」
「…せ……んせ」
温かい声を聞いて、みるみる涙腺が緩んでいく。
白い白衣がどんどん私の涙で濡れてゆく。
先生は何も聞かないで私が泣き止むまでずっと抱き締めていてくれた。
あの日から、私は辛くなると先生の白衣を濡らしにいった。
あの日から、先生の授業中二人の視線が絡まり始めた。
あの日から、学校に来るのが嫌じゃなくなった。
あの日から、先生はただの先生じゃなくなった。
――あの日から、私は先生に恋をした。
end...
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