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ヲタク童話"第十三章 はなさかじいさん"
お爺さん 昔ノリでラップで喋ったのが周囲に定着してしまい、仕方なくやり続けている
お婆さん 少々の騒音ではへこたれない
村長以上でも、村長以下でもない。
ボブ 獣の上を行く男
ナレーション ガンダム00のナレーションになりたいと思っている

青い文字なのがナレ

配役表
お爺さん
お婆さん
ボブ
ナレーション

最近最近、とんと最近の話。ある所にお爺さんとお婆さんが寂しく暮らしておりました。

お爺さん 「YOYO婆さん今日も元気かYO!」
お婆さん 「お爺さん。いい歳なんですからもうラップは止めて下さい。」
お爺さん 「これが俺の生きる意味!これが俺のポリシー!これが俺の生きた証!」
お婆さん 「お願いですからもう少しお爺さんぽくしてください。」
お爺さん 「毎日の繰り返し!毎日の空回り!いつまで続けりゃいい?」
お婆さん 「もう死ぬまで続けてください(泣)」

そんなある日、大きな嵐がお爺さんとお婆さんが住んでいる町を襲った。

お婆さん 「今日は嵐が来るそうですから早めに休みましょうお爺さん。」
お爺さん 「夜はこれから!俺もこれから!」
お婆さん 「もうお爺さんなんですから夜更かししないでください。」
お爺さん 「休まないといけないと分かっている俺がいる!それでも無理する俺がいる!毎日そんなジレンマに悩まされる俺がいる!」
お婆さん 「そしてこの騒音によって寝不足な私もいる。」

そんないつもの夜のやり取りをしていると外から物音がしました。

お爺さん 「何だYO!」
お婆さん 「何ですかね〜?」

気になって仕方ないお爺さん戸を開けました。するとそこには・・・・・。

「あっどうも。」
お爺さん 「・・・・・・・・・。」
お婆さん 「・・・・・・・・・。」

戸の前には、自分達の家のゆうに三倍はあるだろう三つ首の犬が戸口から家の中を覗き込んでいました。

「犬とか飼いませんか?」
お婆さん 「・・・・・・・。」
お爺さん 「食費がかさみそうだから無理だと思うよ?」

お爺さんは余りの驚きに言葉が標準語に戻ってしまいました。

「自分達草しか食べませんから。」

周りの首がしきりに頷いている。その一つ一つの口から手とか足とかが、かわいらしく出ているのをつっこんでいいものかどうかお爺さんは真剣に悩んでいる。

「たまにムカついた奴の名前教えてください。食い殺しますから。」

巷で有名なデスノートの死神より性質が悪いような気がする。

お婆さん 「それは本当ですか?」
お爺さん 「そこで食いつくなや!」

こうしてお爺さんとお婆さんは犬を飼う事に決めました。名前は付けませんでした。そうしてお爺さんとお婆さんと巨大な犬との壮絶な共同生活が始まったのでした。
そんなある日、お爺さんと巨大な犬が一緒に畑に行きました。

お爺さん 「たまに血生臭いが、それ以外は問題ないな。」
「お爺さん。」
お爺さん 「どうかしたのかYO!」
「ここから事件の臭いがします。かなり臭います。」
お爺さん 「そこは前にお前が噛み殺したから、仕方なく地中深くに埋めた隣町の坂本さんが埋まっとるから事件の臭いがするんじゃよ。」
「ならこっちはどうですか?」
お爺さん 「こっちは先日噛み殺された三丁目の志賀さんがうまっとる。」
「正に猟奇殺人の現場ですね。」
お爺さん 「お前が作ったんだけどな。」
「でもお婆さんはすっきりしたと褒めてくれましたよ。」
お爺さん 「・・・・・・・・・。」
「次は誰でしょうね。」
お爺さん 「・・・・・・・ワシかも知れんの。」
「お爺さん不味そうだから嫌です。」
お爺さん 「それは何よりじゃ。」
「むむ。」
お爺さん 「気が変わったか?」
「いえ、そんな事よりお爺さん、ここを掘ってみてください。」
お爺さん 「ワシの生死はそんな事か・・・。」

大分へこんでラップなんてしなくなったお爺さんですが、犬が示した場所はまだ誰も埋まってない場所だったので掘ってみる事にしました。

「ここ掘れワンワン。」
お爺さん 「絶対お前が掘った方が早いと思う。」

その時でした、急に掘っていた穴から温泉が湧いてきました。そして世にも奇妙な物も湧いてきました。

お爺さん 「何この雑誌?」
「同人誌ですね。」

何とついでに同人誌まで湧いてきたのです。それも大量に・・・・。

お爺さん 「この雑誌いる?」
「私犬ですから。」

同人誌はちり紙交換に出されましたが、温泉はお婆さんにも大変喜ばれました。そんな喜ばしい様子を影から異臭を漂わしながら見ている者がいました。

ボブ 「ハァハァハァハァハァハァハァハァ・・・・・・・・・あの犬がいればただで同人誌をゲットできるでござる。」

それは隣に住んでいる近所で最強のヲタクと名高いボブでした。ボブは早速同人誌を手に入れるためにお爺さんとお婆さんの家に乱入しました。

ボブ 「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ・・・・・・・犬をよこすでござる。」
「鼻がもげそうなほどの異臭だ。これが人なのか!」
お爺さん 「獣にえらい言われようじゃ。」
お婆さん 「年金目当ての強盗ですか?」
ボブ 「ハァハァハァハァハァハァ・・・・・早く犬をよこすでござる!」
お婆さん 「犬さん殺ってしまいなさい。」
「ワンワン。」

こうしてボブは犬によって一撃の下に葬り去られました。

お婆さん 「犬さん。もういいでしょう。」
お爺さん 「いや、もう死んでますやん。」
「さらに異臭がきつくなった。本当に鼻がもげそうだ。」

もし他の犠牲者と一緒に埋めたらその土地はその後一生不毛の土地になりそうだと思ったお爺さんとお婆さんは、ボブを火葬する事にしました。

お爺さん 「それにしてもよく燃えるな。」
「地獄の炎です。」
お婆さん 「この紋所が目に入らぬか!」
「まだ続いてたんですか。」
お爺さん 「ほっときなさい。」

こうして犬の吐いた地獄の炎によりボブは灰だけになってしまいました。しかしその時奇跡が起こりました。ボブの灰が枯れ木にかかり、それにより枯れ木に同人誌が咲いたのです。

お爺さん 「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
お婆さん 「・・・・・・・・・・。」

この出来事については見た人間全てが見てみぬフリをしたが、お爺さんお婆さんがくたばった後も同人誌の花は咲き続けボブはヲタクの殉教者として世に広く知られる事になった。
めでたし。めでたし。


秋水(作者だろうか?)に何か一言。




あきゅろす。
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