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りの世界





白い空間の中…俺は先の見えないこの場所をただただ歩いていた。
そこにポツンと懐かしい影が全部立っていた。

「ロロ…?」

呼びかけては見たがその場所からは動かない。
俯いて肩を震わせている。
近づき顔を覗くと目を思い切り瞑り眉を寄せ涙を惜しみもなくボロボロと流していた。

「…っ、…」
「ロロ…何故泣いてる」

唇を噛み締めて何も言わない。

「ロロ…」

また呼びかけるとロロは抱きついて来て俺の胸に顔をうずめ今度は大声をあげて泣いた。

「どうしたんだ、ロロ…」

キュウと俺に抱きつく腕に力がこもる。

「世界の…っ、憎しみの……ぶん…、兄さんの……悲しみを…僕が…っ僕が………」

あんなに辛い思いをさせたのに…俺をまだ愛してくれていたのか。
優しい…俺の弟。
ロロをそっと抱き返し、柔らかいミルクティブラウンの髪の毛を撫でた。

「ありがとう…ロロ。でも俺は後悔はしてない…。大事な人たちがいる世界を…ナナリーのいる世界を優しい世界に出来たから…」
「……」
「それに…またこうやってロロにも会えたしな」
「…っ兄さん」

俺を見上げる弟の目から流れる涙はまだ止まらない。

「ははっ、ロロはこんな泣き虫だったか?」

前髪をくしゃっと撫でるとロロは泣きながらも笑った。



「兄さん…お疲れ様」










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ルルは本当に頑張ったね。たくさんの犠牲はあったけど…だけどちゃんと罪を全部背負った。
ルルは強いよ。
ナナリーのいる世界がこれから先も幸せでありますように…


08.09.29 柚姫


あきゅろす。
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