La prima riunione



保護者である奈々と共に並盛中へと続く道を歩く。
彼――沢田綱吉は、正しく新入生と言った、少し大きめの真新しい制服に身を包んでいた。
直ぐに大きくなると思ったのか、余り裾上げされていないズボンは歩く度にアスファルトに擦れる。

「うーん……やっぱりもうちょっと裾上げした方が良かったかしら?」

アスファルトに擦れ汚れていく裾に気付き、奈々は少し顔を顰める。

「大丈夫だよ、直ぐに大きくなるって」

返す綱吉はにっこりと笑うが、今にも裾を踏み転びそうだ。
そんなやり取りをしながら二人は並盛中に着くと、綱吉は入学生用の部屋へ、奈々は保護者用の部屋へと向かったのだった。




浮かれているのか、ざわめく教室。
どうやら同じ小学校だった者同士が話しているらしい。
その中に小学校時代から『ダメツナ』とあだ名されるようになったツナヨシが入れる筈も無く。
ポツリと空いていた窓際の一番後ろに座る。
違う小学校だった何人かがチラチラとこっちを窺っているのがわかると、不自然に見えないようにツナヨシはそっと俯く。
話しかけられたりしないように。
俯いたからだろう、視線を逸らされる気配を感じ、ツナヨシは密かに笑む。
小さい頃から使っているくたびれた腕時計に目を落とせば、そろそろホームルームが始まるだろう時間。
生徒に時間厳守させるならば教師もそれを守るべきではないかと内心悪態をつきながら待つこと数分。
予定されていた時刻から五分程遅れてこれから担任になるのだろう教師は入ってきた。

「あー、これから入学式がある、服装を正し私語を慎むように!」

時間がおしでもしたのか、酷く慌てた様子で言い放つと並ぶようにと生徒を廊下に出す。
他の組の生徒が既に並んでいるところを見ると、この組の担任だけが遅かったのだろう。
綱吉は一瞬嘲笑を浮かべるが、直ぐに慌てたように並ぶべき場所に向かう。
並ぶと直ぐに動き出す列。
入学式の会場である講堂に向かう為に、ツナヨシも歩き出した。






馬鹿の相手をするのは面倒臭い。まぁ、馬鹿が俺をバカにするのを見て嗤う俺も大概莫迦だと思うけど。
ツナヨシを窺っているのは他の小学校から来たいじめられっことかの友達が少ない子達です。但し実は例外一名。これ、伏線です(ならこんなとこで言うなよ)。


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