Noia



『退屈』


その言葉を身を以て理解してしまったのは、彼がまだたった二歳の時だった

彼は見通してしまった。
己の持つ力を。
学ぶ必要も無い程の知識、脳の回転の速さを。
何れ手に入れるだろう運動能力の高さを。
成長するに連れ色気を増すだろう中性的な整った容姿を。



彼は正しく異端だった。
それは、己が異端であることを知り、己が持つ高い能力を親にすら綺麗に隠し通せる程。
異端であることが他の者に知れたらどうなるかを理解している程。


だからこそ彼は演じた。

『普通』を。
『平凡』を。
『平均』を。



彼は義務教育と言う強制力によって小学校に入学った。
彼は『普通』を、『平凡』を、『平凡』を演じた。
酷く低レベルな授業内容の中、彼は平均点を取り続けた。
酷く『退屈』な時間。
彼は思った。
『普通』だから、『平凡』だから、『平均』だから、『退屈』なのだ、と。


彼は知った。
己の父親が何者なのかを。
己の血筋がどういうものなのかを。
優れた力を見せれば直ぐにその血を継ぐ者に選ばれてしまう事を。



彼は、年齢が上がるに連れて徐々に能力を低くしていった。
『平均』から『平均以下』へ。
学力も、運動能力も、容姿も。
彼は、年齢が上がるに連れて密かに情報を集め、利用していった。


『普通』から『異端』へ。



そして彼は、小学校を卒業する頃、ヒトとして最下層、所謂『ダメダメ』と言われるレベルへと変貌していた。
そして、中学校へ入学る日の朝、彼は人知れず呟いた。



さぁ、ゲームを始めよう






負けた人の罰ゲームは、“平穏にお別れを”でいいかな?

綱吉君は情報を集める為にこっそりパソコンを自作しました。部品は秋〇原で購入。因みに交通費や部品代は隣街の不良さん達の懐から出ていたりします。小さいからなめてくれて伸しやすいです。


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