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「さわらないで」

それは君からの拒絶の言葉。


触ラナイデ下サイ







「どうしてですか?私何かコン君の嫌がる事しました?」
とたんふるふると横に振られるオレンジの頭。


その動作すら愛しくて、すぐにでも抱き締めたいと思うのに
目の前のその子はそれを許してくれない。

「コン君?」

「…いやなんだ…」

その言葉がつきりと胸にしみた。

あぁ

もしかして


「私の事嫌いになっちゃいました?」

「ちがうッ」

否定するようにぶんぶんと激しく振られる頭。

嫌いになったわけじゃないのなら


「じゃぁ…どうして?」

なかなか答えをくれない君に手をのばすと一歩後ろへ逃げてしまう。

「…やなんだよ…」

「…あんたが…この体に触れるのが…ッ」

「…ぇっ」


なにを言ってるの?

「だって、これは一護だから」

「中に居るのは俺でもあんたに触れてるのは…一護の体で俺じゃないからッ」

「だからッ」


コン君…?


「さわらないで」

「さわっちゃいやだぁ…」

「…っらはらぁ…っ」


とたんにぽろぽろ泣き出してしまった君。

あぁ…


「コン君…」


愛しい…

ふとその赤い頬を掌でぎりぎり触れないように包み混む。

それに一瞬君の身体がビクリと震えた。

「大丈夫、私が触れているのは黒崎さんではなく…」

「君です」


「愛しいと思うのも」

「抱き締めたいと願うのも」

「どんな姿をしていたって」

「君だからいいんです」

「君じゃなきゃ嫌なんです…」


「ねぇだからコン君」




「触っていいですか…?」


「……っ」


とたんにくしゃっと顔を歪めた君がとんっと私の腕の中に飛びこんで来る。

ふわりと優しい体温が伝わる。

あぁ
やっと


「ねぇコン君…」


これだけは覚えておいてね


「愛してます」

「…っ」
コクリと
今度こそ
そのオレンジの頭は縦に小さく頷いた。

end




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