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俺の名前は荒木秋生、トレジャーハンターだ。
世界中を駆け巡り、お宝を見つけては根こそぎ頂戴する男。
仕事はしてないのかって?これが俺の仕事さっ!
実は、俺は元々ニートだった。
東大受験に失敗してから引きこもりがちだった。
そんなある時、TVで世界中を旅する冒険家の番組を観た。
そいつが金銀財宝を探してピラミッドや火山、ジャングル、海底とありとあらゆる場所を巡ってるのを観てトレジャーハンティングに興味を持った。
そしつ引きこもり生活に別れを告げ、ハードなトレーニングで体を鍛え、今の自分がある。外国語だってお手の物さ。
今回来たのは某国のピラミッド、ガイドなんてない、生まれつきの地獄耳と千里眼を頼りにここまで来た。
そしてピラミッドの地下最深部、ついに財宝の山へとたどり着いた。 辺りは金貨、宝石、剣に盾、杯なんかで溢れかえっていた。
いつもなら全て持ち帰るところだが、今回の目当てはそんなちっぽけなもんじゃない。
何でも願いを叶えてくれる魔神を封じたランプが目的だ。

そして俺は金貨の山の下から隠し階段を見つけ更に地下深くへ。

そして広い部屋の真ん中の円台に金色に輝く物を見つけた。

黄金のランプ、まさしく俺が探してたそれだ。

「や、やった…、ついに見つけたんだ!やったぞ!!」

ランプを持つ手が震え、息を荒げ、興奮が治まらない。

「さて、魔神がどんな奴なのか、早速拝見してみようじゃないか」

俺はランプをゆっくり擦った。
するとランプの口から黙々と桃色の煙が溢れ出し、それが人の形へと変わる。

ついに魔神が現れ…、いや、現れたのは魔神ではなかった。

「なっ、お…、女の子?!」

なんと現れたのは想像していた魔神とはとても似つかない女の子だった。 現れたのは女の子は俺よりも身長は小さく、可愛かった。
赤毛のロングヘアーをリボンで束ね、耳には腕が通りそうなくらいのリングピアス、上半身ははじけんばかりの胸元を露出したヘソ出しのスポーツブラ、下半身は尻肉が少しはみ出た半ズボンに皮のブーツ、そして純白の肌を大いに露出していた。

「ふぁぁぁ、よく寝た」

そう言って魔神?が大きく伸びをする。
とても魔神には見えない、俺はランプを間違えたのか。
そんなことを考えていると、魔神らしき女が俺を見た、視線が合う。
心臓がバクバク言い始めた。
身の危険を感じた。
そして魔神?が言葉を放つ。

「あ、おはよっ☆」
「は、はい?」

魔神と交わす第一声が朝の挨拶なんて。
普通、願いを言えとか言うよな…。

「王様、暫く見ないうちに変わりましたね」

魔神?が俺を指差して言った。

「王様って、俺は王様じゃない、冒険家だ!」
「ボーケンカ?棒喧嘩?棒と喧嘩して楽しい?」
「違う!俺は世界中を旅しては遺跡や洞窟を探ってお宝を見つけだしてるんだ、それが冒険家だ!」
「ふぇ?そうなんだ☆」
「ああそうだ!」 こんな訳の分からん、それこそ魔神かどうかも分からん奴にムキになってどうする…、願いを叶えてもらえばもう用はない。
「ところで魔神よ、お前を目覚めさせたのは他でもない、願いを叶えてもらう為だ」
早速本題に入る。



しかし…

「ネガイ〜?」
「そう」
「ネガイ、ねがい、ネがい、ネがイ、わかった」
「そうか!じゃあ早速、俺の願いは…」
「半値(はんね)のねをいに変えると範囲(はんい)、これでオッケーヵな?」
「はぁ?なんだよそれ?」
「ねがいでしょ?「ね」が「い」、「ね」を「い」に変えて他の言葉にするんでしょ?」
「お前、天然か?」
「テンネン?王国暦は千年だけど」
「…、駄目だな、こいつは…」
ランプの魔神は魔神ではなかった、そういうことにしておこう。
いや、マテ、魔神かわからんが、よく見ると、カワイイな。
「魔神、名前は何てんだ?」
「アタシ?フィリアだよ☆」
「フィリアか、で、フィリア、お前は何者なんだ?」
「アタシ…、普通に王様のお手伝いしてたんだけど、王国が襲われた時、封じ込まれたの、戦に勝利したら出してやるって言われた、それで今出てこられたから、戦に勝利したんだなって思って。アナタ、王様じゃないの?」 「悪いが、俺は王様じゃない」
「じゃあ、王様は?」
「…、戦のことはわからない、ただ、もう生きてはいないよ」
「そっか」

まずかったか、フィリアが少ししょんぼりしたようにも見えた。
「ま、まあ、元気を出せ、その戦から数千年経って王様はもういないけど、その…」

言葉が上手く出ない、不器用な俺。

「は〜、あースッキリした!」
「へ?」
落ち込んだ表情から一変、どこか嬉しそうな表情。

「王の奴、前から嫌いだったんだよね!」
「えっ?」
「肩揉めとか服を着せろとか風呂一緒に入れとかマジウザくて〜」

おいおい、現代語混ざってねーか?

「あ、ところで!アナタ、何でアタシをランプから出したの?」
「それは願いを叶えてもらう為で…」
「だ〜か〜ら〜、願い叶えたじゃん!半値から範囲」
「ちげーだろ!俺の願いはだな…」
「はい」

そう言ってフィリアが俺の前に掌を差し出す。

「な、なんだよ?」
「手数料」
「はぃ?」
「て・す・う・り・ょ・う」
「いくらですか?」
「1億」
「上の階にある財宝で払う」
「嫌」
「じゃ何で払えば?」
「諭吉」

こいつ何者?

「わかった、小切手で払う、今は持ち合わせがないから、国に帰ってから」
「んじゃ、願い叶えたげる☆何でも言って☆」
「俺はもう27歳になる、勉強ばっかしてきた、だから、27年間恋愛したことがないんだ、運命の人との出会いがほしい、出来れば可愛くてボンキュボンで明るく優しくて、少しHな」
「なーんだ、簡単なことじゃん☆OKOK☆」

そう言ってフィリアは目を閉じ、何やら気を集中し念じ始めた。
俺は息を飲む。
数分してフィリアが口を開いた。

「新宿のすかいらーく、ジョナサン、和民、池袋のカラオケ店それから…」
「お、おい、そんなこと聞いてんじゃなくて…」
「願いは叶えたよ☆今言った場所で合コンがあるから、ちなみに今言った場所は可愛い娘だけが集まるから、行ってきなさい☆」
「今から無理だろ、ピラミッドん中だし」
「じゃあ諦めんしゃい☆」

ゴゴゴゴゴゴ……

この魔神に対して怒りがこみ上げた。こいつ、魔神て肩書きだけで新宿のギャルと変わんねーし。

意を決した。

「魔神よ、ランプに戻れ!」

願いはいい、とにかくこいつを何とかしたかった。

シーン…

しかし、何も起きなかった。

「な、なんで、なんでランプに戻らない!」
「わかんないよ〜、てかランプの魔力がなくなったんじゃない?」
「……、それは言えてるな、なんせ数千年、中身が無事でも不思議なくらいだ」
「アタシ、帰るとこないんだケド」
「わかった、一緒に来い」
「えっ、やったあ☆」

俺はフィリアの手を引きピラミッドを出た、宝は一袋分だけ戴いて。


そして、あれから2日、俺は今、旅客機で母国へと向かっている。
ちなみにフィリアはいない。

実は手を引いてピラミッドを出たあの後…

「よし、こっちだ」

俺はフィリアの手を引いて街を歩く。

「え?うちどこなの〜?なんか楽しみ☆」
「よし着いた!」

俺が来たのはこの国の警察署。中へ入る。

「ほえ〜、変わったお家だね」

フッ、こいつの頭は数千年遅れてる、警察を知らないようだ。

「すいません、この娘、迷子みたいで…」
「マイゴ?」



そう、フィリアは警察に保護してもらった。正確には任せた。
アイツとは関わりたくない。
そして、帰宅したのは深夜、新宿の自宅マンションへ。


「疲れたな、無駄足だった」

本当に疲れた、魔神なんてどこにもいやしなかった。
あの女はインチキだ、魔神の出来損ないだな。

そんなこと頭で考えながら部屋へ。

ガチャ

ドアを開け電気をつける。

「おかえりー☆」


どがしゃっ☆彡

俺の目の前に映った光景。
なんとピラミッドで会ったエセ魔神がベッドにアグラをかいて座っていた。

「ななななななな、なんでお前がここにいるんだよ!」
「来たから☆」
「どうやって!?何に乗って来た!?あんたは住所不定だろ?!パスポートなんか作れないし金もないだろうよ!?」
「だってぇ、アタシ魔神だよ☆」
「まさか、空を飛んできた?」
「違うよ☆自分で自分の願いを叶えたの☆アナタのとこに行きたいって願って。したらここに来ちゃった☆」
「これからどうすんだよ…」
「どーせいしたげる☆」
「ふっ、ふざけるなぁー!」
「ちょっとぉ、怒鳴らないでよぉ!アタシ、今日ちょっと…」
「な、なんだよ」
「アタシ今日、女の子特有のアレの日だから少し気が立ってるのよね、プンプン」 「アレって、女特有の、せい…」

ドガッ

「ぶへっ」

顔面に分厚い雑誌が飛んできた。

「それを言うなぁ!恥ずかしいんだから!!」
「すいませぇん」


ランプの魔神、恐るべし。

ランプの疫病神だな。


そんなこんなで、この魔神フィリアとの同棲生活が幕を開けた。
まあ、カワイイしスタイルいいから、それでいっか。

一応、「願いはカワイイ娘と一緒になりたい」だったし。


魔神って、一体…。



続く


あきゅろす。
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