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ぼくは透明人間になりたくてしょうがない。


何故なら、ぼくはぼくの中身を知りたくてしょうがない。でも、ぼくはぼくの中身を完全に知ることが出来ないからだ。完全に知ることが出来ないことに気付いてしまったからだ。だからぼくはぼくを知ることを諦めた。それは、透明人間になるのを望むことだった。つまり、ぼくが最初から透明だったらよかったのだ。

透明人間になったら、まず何をしようか。そうだな、スケベな僕はまず銭湯に行くだろう。そして女子更衣室へGOだ。最初は緊張してしまうだろうけど、すぐに慣れるだろう。そして、見つかっちゃうかもなんて心配せずに堂々と仁王立ちしてみせよう。なんて素敵なんだ透明人間。

次に、人を思いっきり驚かせてみたい。てくてく歩く見知らぬ他人を後ろからドンと押してみるのさ。びっくりしてその人は後ろを振り向く。が、しかし後ろには誰もいない。種は絶対明かしたりしない最強ドッキリさ。なんて素敵なんだ透明人間。

あれ、でも待って。透明人間になったらぼくには感触が無くなるんだ。透けてしまうんだ。それじゃあ人を押すことなんて出来ないじゃないか。

いや、そんなことどうだっていい。君に触れることができない。君を抱きしめることがない。君にあんなことができない。こんなこともできない。そんな、そんな、そんなことって!!!!!!!
ぼくにとって君の感触を味わえないなんて苦痛はこの上ない。


やっぱりぼくは色の付いた人間でいいや。


09.02.16


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