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星に願いを(悟空Ver.)
著:萌様



会いたくて。
抱きしめたくて。
この想いを星に乗せて―

 時間もない。季節もない。天気もない。
 ひたすら修行をしていると、今がいつだかわからない。
 だけど、ストンと胸に強い想いが落ちる時がある。
 悟空は修行をする手を止め、見えるはずの無い星空を思う。
 

「…そうか…今日は七夕じゃったか…。」
 界王は悟空の様子で全てを察し、その場を去った。

『七夕って何だ?』
『1年に1度、彦星と織姫が会える日だべ。』

 新婚の頃、チチが話していた。

 悟空は空を見上げながら道着の胸のあたりをギュッと掴む。

 下界から届けられる強い想い。
「…オラも…会いてぇよ、チチ…。」

 次に会えるのはいつだろう?
 チチがこっちへ来た時かも知れない。

 ここでは見えない星に願う。
「…オメエを抱きしめてえよ…チチ…。」

 この想いを、チチの想いを届けてくれた星に乗せて。

 下界の妻に届きますように。

 
 end



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