★★★ 星に願いを(悟空Ver.) 著:萌様
会いたくて。 抱きしめたくて。 この想いを星に乗せて― 時間もない。季節もない。天気もない。 ひたすら修行をしていると、今がいつだかわからない。 だけど、ストンと胸に強い想いが落ちる時がある。 悟空は修行をする手を止め、見えるはずの無い星空を思う。 「…そうか…今日は七夕じゃったか…。」 界王は悟空の様子で全てを察し、その場を去った。 『七夕って何だ?』 『1年に1度、彦星と織姫が会える日だべ。』 新婚の頃、チチが話していた。 悟空は空を見上げながら道着の胸のあたりをギュッと掴む。 下界から届けられる強い想い。 「…オラも…会いてぇよ、チチ…。」 次に会えるのはいつだろう? チチがこっちへ来た時かも知れない。 ここでは見えない星に願う。 「…オメエを抱きしめてえよ…チチ…。」 この想いを、チチの想いを届けてくれた星に乗せて。 下界の妻に届きますように。 end ←戻る[作品/TOP] ★★★ |