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互いの肩をぴったりと合わせ、悟空とチチは並んで座り込んでいた。
辺りはもうすっかり暗く、もうすぐ夏の訪れが近いというのに少し肌寒かった。
濃い紺色をした空に浮かぶのは幾つもの小さな星達で、何をする訳でもなくただそれを二人して眺めていたのだ。

「…覚えてねぇだか?」

ふと紡がれた、予想もしなかった言葉に悟空は首を傾げる。
覚えていないとは一体何の事だろう。
そう尋ねようとした時、チチは再び口を開いた。

「悟空さは…悟空さのおっ父の事、覚えてねぇだか?」

悟空はチチの方を向いた。
その澄んだ瞳は真っ黒な空を見上げたままだ。
触れていた肩が離れてしまうと少し寒さが増した様に感じられる。

「覚えてねぇなぁ」

チチからの言葉に幼い頃の事を思い返してみるが、やはり頭に浮かぶのは地球に来てからの思い出ばかりである。
悟空はゆっくり首を振り、返事をした。

「…最後までフリーザと戦って、死んだってのは聞いたけどな」

つい最近耳にした事をふと思い出し、口にした。
するとそこでようやくチチは悟空の方を見る。
暗くてよくは見えないが、その瞳が濡れているように思えた。

「オラの父ちゃんもサイヤ人だからなぁ」

どうしてチチがそんな悲しそうな顔をするのかと困った悟空はせめて慰めようとその唇に自分のを重ねた。
唇が離れると、チチは驚いたような顔をしていた。

「…帰ぇるか」

じっと見られているのに何だか照れてしまって、それを隠すように腰を上げた悟空はチチの腕を掴んだ。
チチは慌てて腰を上げると、引っ張られる方へついていく。

しばらく悟空の広い背中を追いながら、真っ黒な空で光る星を見ていた。

「なぁ、悟空さ」

ふと足を止めたチチは前を歩く背中にふと声を掛ける。
どうしたのかと振り返った悟空にチチは続けて言った。

「悟空さは、きっとおっ父に似ただな」

突然の言葉に悟空は目を丸くする。
その頬へとチチは手を伸ばした。

「…どこがだ?」

「命を懸けてまで自分の星を守ろうとするとことか、だな」

ふふっと笑うその手を握る手に力が入る。
自分がこの地球を守ろうとしているのはチチや悟飯、その他にも沢山の大切な人が居るからだと言い掛けてふとそうかと思い付いた。

「オラの父ちゃんも、オラや母ちゃんのこととか…守りたかったんかな…」









4444Hitの紀久さまのリクエスト。
バーダック絡みの悟チチということでしたが、全然絡んでいないというか…(汗)
私がまだまだ未熟者なせいでこんなしょーもない出来ですみません。

リクエストありがとうございました!
これからも是非よろしくお願いします☆







あきゅろす。
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