梅雨ネタ 獄ツナ
「え、十代目、傘持ってきてないんですか?」
午後からの、土砂降りの雨。
昇降口から見える白いコンクリートの道を、雨が黒く染めていく。
六月の、じめじめと湿気が多い嫌な空気。
気分まで憂鬱になる。
…いつもなら、ね。
「じゃあ、オレの傘使ってください!!オレの家近いんで、走りますから。」
オレにシンプルな黒い傘を手渡して、自分は走って帰ろうとする。
「ま、待って!!」
ぱしっ 白い獄寺くんの手首を、掴む。
「…十代目…?」
ザァザァ… 雨音が、オレの胸のドキドキを、隠してくれる。
「一緒に、入ろ…?」
ザァザァ… 雨音がきっと、獄寺くんの胸のドキドキを、隠してる。
だって、獄寺くんの顔、林檎みたいに真っ赤。
「い、いいんですか…?」
「うん、一緒に入ろ。」
すごく蒸し暑いんだけど、いいや。
今は胸の心音が、心地良いから。
傘に雫があたる音と、心音と。
リズムを刻んで。
ちなみに、今日わざと傘を忘れたのは、オレだけの秘密。
ツナさん確信犯ですよ。
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