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【爪痕】



指先が甘く痺れて、頭の芯がボッーとする感じ。



首筋を甘噛みされれば、体が魚のようにビクッとすれば、自分の口からは聞いたことないような鼻にかかったような声が漏れる。


思わず力が入ると、伸ばしたままの爪がコンラッドの背中を傷付ける。


少し顔をしかめたコンラッドがおれの頭を撫でる。



『気にしないで、ユーリ』



いつもの言葉だ。



いつも爪切る余裕もなくベットになだれ込むから、コンラッドの背中はおれの爪跡だらけ。


結構強い力で掻きむしっているのに、コンラッドはこれでいいんだと言う。



おれがコンラッドの腕のなかにいた証みたいで好きだと微笑んだ。



背中が痛む度にユーリを感じられるからって。


証なんてなくたって、ずっと側にいるって約束したのに。


あの爪跡は今でもコンラッドの背中に残っているかな?



痛みは残っていなくたって


おれの温もりだけはせめて覚えていてくれよ



お願いだから。


END








あきゅろす。
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