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2.優しいふり



優しさは時に人を苦しめる。それがエゴの皮をかぶったものなら尚更だ。


グリエ・ヨザックは深く溜息をついた。


グリエの元上司で幼馴染のウェラー卿コンラートは昔からとても優秀で何でもソツなくこなせるような人だった。

器用な奴だとばかり思っていたが…本当にことさら恋愛に関しては、不器用だよな、コンラート。


自分で決めた道ですら、陛下が目の前で出てきただけで、揺らぐ。

それだけ大切なら手放さなきゃ良かったんだ。陛下は何度もチャンスをくれたのに。


決められないのなら最初から選ばなきゃ良かったんだ。




「そうだよ、コンラートお前は本当に……」



小さく呟いた言葉の先は海へと消えていった。



End







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