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繰り返し見る夢、ぼやけた空間の向こう側に、一人の男の人が佇んでいる。


会った事が無いはずなのに、懐かしさと愛しさで胸がいっぱいになった。


『あんたは誰…』


真っ直ぐ温かい瞳がおれを見つめてくる。

知らないはずなのに、会ったことなんて無いはずなのに


…心が覚えている。


近づきたい、話したいのに、
見えないガラスに阻まれて、
向こう側には行けない。


『あんたは誰だよーー!!』

『俺は…ェラー卿コン…貴方の…りを待っています』


見た目より遠く離れているのか、よく聞き取れない。


聞き返そうとした瞬間だった。


携帯の目覚ましが騒々しく鳴り始めたのは…。


おれが愛してやまない西武ライオンズの応援歌だ。


「夢…?」


いつもは起きるとすぐに忘れてしまうのに、

「待っています」

と言う言葉が頭から離れない。



誰かがおれを待っている…?



「ゆーちゃん、早く降りてらっしゃい!遅刻しちゃうわよ?」

「わわっやばい!」


朝の戦闘モードに頭が切り替わる。


いつか会えるだろうか?


夢の中の優しい瞳のあの人に…。


End




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