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ズシッと身体に重みを感じた。半分程眠気に誘われていた竹谷は、微かに眉を潜めて小さく声を漏らした。


「…重てぇよ」
「…何を言う…、お前の方が重さはあるだろう」

くすり‥と小さく笑いながら、容赦なく全身を竹谷に預けて目を瞑った。
広い胸の上は、馬鹿みたいに暖かくて、まるで、専用の布団のようだ。心地いい等と言うものを求める性格ではなかったが、それでも此処は、彼にとっての特別な場所なのだ。




「……いてっ‥…おい、八左ヱ門…」
「…何だよ」
「…その、髪を乱暴に掻き回すの…っやめろって」
「……愛情表現だろ」

本人はそう言うが、髪が多い人間には、掻き回されるだけであちこちが絡まってしまって痛いのだ。
しかし、決まって竹谷はこれをする。やめろ、と言うのに、酷い時なんてぐしゃぐしゃになるまで。



「…あーもう!やめろっての!アホっぱち!」
「……相変わらず、かわいくねー」
「…かわいいなんて思って貰わなくて結構だ」

よっ‥と竹谷の上から身体を離して、隣に横になる。
そして、竹谷に背を向けるようにして鉢屋は再び目を瞑った。

竹谷は、そんな彼の様子をじっと見つめて、いつも思う。本当に、猫そのものだと。


「……」

触り心地のいい、フワフワとした髪に再び手を伸ばす。しかし、触れた瞬間に、パシッと叩かれてしまった。

どうやら、少々機嫌を損ねてしまったようだ。




……何だって俺は、こんな…




きっと、兵助の方が、かわいくて守ってやりたいと思う。
きっと、雷蔵の方が、優しくて一緒にいて安らぐのだと思う。



それでも




竹谷は、小さく笑いながら、同じように鉢屋に背を向けて目を瞑った。
一秒一秒経つ事に、ゴソゴソと動き始める音が自然と笑みを生み出す。


「……」

背に伝わる、低めの体温。ピッタリとひっついて、まるで先程までの機嫌が嘘のようだ。

やっぱりこいつは、猫そのものだ。



「…ったく、手のかかるこった」
「……うわっ、…おい!」

くるっと向きを変えて、その身体を目一杯抱き締めた。ジタバタともがく様を楽しそうに笑いながら、それでも、離さない。



「…だが、手のかかる猫は…、嫌いじゃないけどな」
「何いっ…て、…っ」


とっさに、かわいくない台詞ばかりを吐く唇を塞いでやった。抵抗できないよう、腕を掴んでしまえば、こっちの勝ちだ。

いくら優秀であろうとも、変装の名人であろうとも、そんなお前を捉える俺の力を甘く見るな。
どこまででも、逃げるならば、追いかけてやる。



もう、俺はお前の

虜、なのだから…。





「……っ、…ふ、そんなお前の顔……後輩が知ったら泣くぞ」
「…かもな」



そう…、それでもやっぱり、


自分はどうしようもなくこいつが

好きなのだ…。







≫とりあえず竹鉢熱が抑えられずに書いてみました
色々と間違ってる気もしますがこんな感じで恥ずかしくじゃれ合ってればいいと思います!







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