噛み締めた砂の味と、踏みしめた砂の粒を吟味する旅の途中でした。
ふと、君が振り返ったような気がして。つられるように、僕もまた振り返っています。
もう何年も雨が降っていないと言わんばかりのしかめっ面で、大地は今日も空を睨んでいるようですが。
世界に膜があるとするなら、きっと透明で、壊れやすく、そっと手で包みたくなるほどうつくしいのでしょう。
後ろを見ているはずなのに、僕の目には何時も、君の背中が見えています。
過去という膨大な足跡と、未来という輝かしい名前に押し潰された、いま、という二文字を。
掬ってみたくて、救いたかった。
定まっていなかった、やくそくの場所は、立ち止まった此処にしようと決めました。
髪の毛に砂が触れて、爪先が空に向いていく最中。
時の流れを砂時計に任せる人の、焦れたあの気持ちがようやく、分かった気がしたのです。
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