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太平洋戦争末期に激戦地・硫黄島で日本軍を指揮した栗林忠道中将が、騎兵中尉だった1919(大正8)年に軍の内部報で「将校が兵士に機械的に軍紀、服従を教えても時流に適さない」などと、軍の体質改善を求める寄稿をしていたことが13日、分かった。クリント・イーストウッド監督の米映画「硫黄島からの手紙」(06年)で、俳優の渡辺謙さんが演じて脚光を浴びた栗林中将。海外経験もある開明派で、若手将校時代から、精神論が幅をきかせた当時の軍に幅広い視野を持つよう訴えていたことを裏付けるものだ。  寄稿は「国民思潮ノ推移ト軍隊教育ニ就テ−吾人将校ノ覚悟」と題し、陸軍将校の親睦(しんぼく)団体「偕行社」が発行する会報「偕行社記事」の大正8年6月号に掲載された。同団体が戦後出版している会報に改めて掲載されていた寄稿を中将の郷里・長野市の市民グループが発掘した。  当時28歳の中将は「将校は典範令(軍の教科書)のみの研究で十分とすることはできない」と指摘。大正デモクラシーを背景に「民主主義にかぶれた下士卒(兵士)に高圧的なのは反感を抱かせるだけで、主張を述べさせた上で納得させる努力をしなければならない」と主張した。  さらに、将校は自由主義や社会主義を研究する必要もあるとして、「知識がなければ(兵士を)心服させることはできない」と、進歩的な姿勢をうかがわせている。市民グループのメンバー、原山茂夫さん(80)は「中将の軍隊時代の言動は研究が少なく、今回の資料は重要だ」と話している。


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