1956年アメリカの病理医である“キャッスルマン”先生が初めて原因不明の病気として報告したことから“キャッスルマン病”と名付けられました。
キャッスルマン病の原因としては、ウイルスによる感染などが推定されますが、はっきりとした原因は不明です。
しかし、最近の研究で、キャッスルマン病の患者さんでは腫れたリンパ節から多量にインターロイキン6(IL-6)という物質が作られていることが分かりました。
インターロイキン6は、生体内で様々な炎症を引き起こす物質であることも分かっています。
リンパ管の中にあるリンパ節という器官に腫れが見られる病気です。
キャッスルマン病には、大きく分けると以下の2つのタイプがあります。
(1)1つのリンパ節が腫れる:HV/限局型…症状はほとんどなく、手術でリンパ節を取り除いてしまえば治ります。
(2)2つ以上のリンパ節が腫れる:PC.MCD/多発型…リンパ節で多量に作られるインターロイキン6という物質により、だるさや発熱、食欲不振、体重減少、発疹などの症状やCRP上昇、貧血などの臨床検査値異常が引き起こされます。
キャッスルマン病自体は良性ですが、長期にわたると肺炎や腎臓の障害を引き起こすことがあります。
キャッスルマン病の治療には、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)、免疫抑制剤、抗がん剤(化学療法)、抗インターロイキン6製剤(アクテムラ)などが用いられます。
治療薬の種類
副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)強い抗炎症作用と免疫抑制作用があります。
長期に服用すると体のだるさ、顔のむくみ(ムーンフェイス)が出たり、高脂血症、高血圧、白内障、緑内障、骨粗しょう症、感染症にかかりやすくなります。
免疫抑制剤体内の免疫反応を抑制する作用があります。
主な副作用として、赤血球・白血球の減少、感染症、肝障害、消化管障害、腎障害などがあります。
抗がん剤(化学療法)体内のガン細胞をたたく作用があります。
主な副作用として、気持ちが悪くなったり、吐き気、脱毛、赤血球・白血球の減少、腎障害、神経障害などがあります。
抗インターロイキン6製剤体内の炎症作用を引き起こす物質であるインターロイキン6の働きを抑制する作用があります。
主な副作用として、発熱、喉が痛い、咳やタンが出る、鼻水が出る、発疹、腹痛、感染症などが起こることがあります。
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