過去ルル誕拍手お礼文/Deep Anniversaryプレゼント編。甘いです



 
12月5日。
時刻は21時を経過した。
パーティーを終え、やっとの事で自室に帰ってきたのだが

…本当に疲れた…変わらず腰もだるいし…


腰をさすりながら、チラリとヤツの方を見ると満面の笑顔を返された。

空気読め。

大体何故一緒に俺の部屋に帰って来るんだ。
極自然に上がりこみやがって。

…何はともあれ。
後3時間もすれば今年の――18歳の誕生日も終わる。
例年に違ず騒がしい1日だった――… うぷ。


「…気持ち悪い」

「今日1日で一年分のケーキを食べ尽した気がするね」

「特に兄上のケーキには度肝を抜かれた…」

「ウェディングケーキよりデカったよね。みんな写メで撮ってたもん」

「はは。でもユフィのプリンの方が旨かったな」

「……ふぅ〜ん、良かったね…彼女呼んで」

「う…うん…(あれ?怒ってる?)」


毎食、食べたいくらいに旨かったなぁ…


「あの舌ざわりの滑らかさやコク、カラメルの程良い苦味が最高だった」


「…そっか。ルルーシュ、プリン好きだもんね。ねぇねぇ、プレゼント何貰ったの?」


…ホッ、機嫌なおったか。
全く、いつ地雷踏みかけたんだ。


「えと、マフラーに手袋とか…特大テディベアのぬいぐるみ…」

「ルルーシュにぬいぐるみ!?ははっ」


ナナリーにユフィ、これは兄上で――…
スザクには…、

……。



「ん、なあに?」
「…いや。何でもない」


――スザクには何も貰ってない…よな?

ケーキはくれたけど…食べて無くなってしまったし…


物欲に走ってるわけじゃない。
高価じゃなくていい。

思い出が宿る、形が残るもの欲しいんだ。

ティーカップとか…
ボールペンとかだっていい

18歳の誕生日の始まりと終わりをスザクと過ごせた事を、思い出として触れたい時に触れられる形が欲しい。

壊れても、欠片を握りしめて大切にするから。

過ぎ去った愉しい日々、

時折夢なのか過去なのか分からなくなる。

…――記憶なんて曖昧なものだ。

消えそうで寂しくて、
だけど儚くて美しい在りし日


無くしたくはない――。


…だからみんな、記念にと写真やムービーに撮ったりして記録するんだろうな。


思い出を共有できるのは素晴らしい事だ。

俺は無理だけど…。

レンズに緊張するというか…好きじゃない。

表情作るのもテンションを無理矢理上げるのも…とても苦手だ。


だから

俺はスザクと一緒に、思い出と思い出の詰まったモノを
これからも沢山増やしていきたいんだ――。


「…もうすぐ12月5日が終わるね」

「ああ…」

「あ、そうだ」

「!」



スザクはズボンのポケットに手を突っ込み、何かを探りはじめ、
思わず期待の眼差しでスザクを見守ってしまった。


「ジャーン」

「…!!!!!」


おまっ―――…


「…スザク、今日は何の日だ?」
「ルルーシュの誕生日」

「だよな。お前がチラつかせてる、それは何だ?」

「ルルーシュの1日メイド券^^」
「貴様何を考えている…!!?」


「る、るーしゅ、首 絞めつけた ら息が、で きないん だけど っ」

「…フンッ」


スザクのヤツ、何を考えている。
誕生日に券を使う理由は――



「…渡したいモノがあるんだ」

…渡したいモノ?



その一言に俺は気を取り直して、クローゼットからメイド服をひっぱり出した。


「10分間でいいんだ…俺のいう事に『はい』って頷いて欲しい…何だったら今日が終わって、無かった事にしてもいい」


寂しそうに笑うスザク。


いう事に『Yes』と頷くだけでいいって…今日が終われば無かった事にしていいって

スザクは何を考えているんだろうか――…



何にしろまさか誕生日にまで
このメイド服の袖に腕を通す事になるなんて
最悪だ…恥ずかしい


……


――ううん
…スザクが喜ぶなら、



「…着替えたぞ」





「フフ、相変わらず似合ってるよ!すっごく可愛い」

「……い、いいから早く始めろ!用があるんだろ」

「うん」



軽い返事をしてスザクはまたポケットに手を突っ込む。


…またポケットか。
そんな狭い場所に何が入っているんだ

そのズボンのポケット
4次元に繋がってるとかなら素晴らしいな、はは


…また飴とかだったら――…泣くぞ、俺は。



「目瞑って」

「……何で」

「何でって…見られてると照れくさいっていうか…いいから早く目瞑ってよ」


…他人の前で、目を瞑って待つというのも照れくさい行為なんだぞ。


「……」


渋々、目を閉じると、
すぐ左手首を掴まれ、ビクンと体が反応してしまった。


「う…っ」


…?



薬指に――、



「目あけて」

「……」





「…改めて、お誕生日おめでと…」


左手の薬指で銀色のリングが光っている…


が、

ベタベタ指紋がついてて輝きが鈍い。


「…曇ってる」

「ソコ突っ込まないで!磨いてよ!」

つい…照れてしまって。
すまん…


「フ…フン」

「いつ渡そうって緊張して、触ってた…ね、左手薬指のリングの意味分かるよね?」

「ぁ…あぁ」


平常心を装って返事したけど――声が震えて、

スザク…っ


「うん、じゃあさっきの約束ね。僕の――俺の言う事に『はい』って頷いて」
「…『はい』」

「…ルルーシュ、…結婚しよう」


!!!!?


「だ、…男性同士の結婚など法律で認められてない、日本もブリタニアも…っ」

「や・く・そ・く!」

「…っ、『はい』」


スザクは力強く、俺を抱きしめた。

「約束の10分間まで…後5分こうしてて。リングも外していいから」

「……外すわけないだろ」

「ル…ルーシュ…」

「ありがとう、スザク…一生大切にする、リングも…プロポーズも」

「俺もっ…、俺もルルーシュを大切にする!!」

「うわっ」

「ルルーシュ!ルルーシュ!」
「やめろ、流石にもう無理だ…!5回は無理だってば…!」

「そんな事言われても我慢できないし…!」

「俺を殺す気か…!?」


大切にするって言ったのに…!

ス ザ  ク !   !










Fin.



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