僕はノアとエクソシストの血が混じった生き物
神は僕を嫌いだからこうしたのだろうか?
それとも、僕は特別だった…――?
どっちにしろそんなきれいごと
いらないけど・・・――
「アレンーー!」
後ろからぎゅっと抱きしめてきたロードにアレンは首だけを後ろに向けて微笑んで答える。
「どうしたの?ロード・・」
「んー?アレンこそ、そこで一人何してんのぉ?」
「僕・・、そうだね・・何も何もしてないかも・・ただぼーっとしてただけ」
「きゃははっ何それー!」
窓から見る空は赤黒く、この世のものとは思えないほど薄気味悪い。ロードに向けていた視線を今度は窓へと向け、アレンはじっと空を見た。
今、自分の敵になってしまった教団の皆は何をしているだろうか?そして、僕も教団を裏切って、イノセンスの力によって落ちていく体力であとどれだけ足掻いて生きていくのだろうか?
それから
それから、あなたは今・・・――
「アレン・・・」
はっ!
「な・・何?」
「…まだ忘れられないの?」
「・・っ!」
ロードに全て見透かされているように言われアレンは冷や汗を流した。こんなところで誤魔化しても無駄だと分かったのか、アレンはゆっくりと瞳を閉じると重々しく口を開いた
「・・忘れようとしているよ…でもね、身体の中にいるイノセンスが彼のことを忘れようとさせない……きっと、完全に忘れたときはそれは僕の死を意味するんだろうね」
イノセンスが僕をエクソシストとして引き戻そうとしている
そのために来る衝動が時々身体に衝撃が走り、痛み出す。燃えるように、殺すように酷く、強く・・・
早く忘れてしまえば良いのに
いつもそう思う
でもそうできない
だって、
まだ思い続けたいと、
忘れたくないと願うもう一人の僕が
心の中で眠っているから
これは、ロードにも言えない僕の最大の秘密
ノアになった僕を神さえ許してくれないと分かっていても
僕は願い請う
一生訪れることのない
あなたとの幸せを…――
--end--
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