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Q.1
愛しのエドワードが二人に増えていたら、貴方はどうしますか?




(あぁ、そんなの決まってる……)


ふわりとした意識の中、その問いに答えようとしたリンの体が急速に浮き上がる。
なんだろうか、と思うまもなく、眩しい朝日が薄く開いた瞳を襲った。
突然、認識する。


「夢カ…」


ふわぁっ、と大口を開けて欠伸をすれば、まだ覚醒しきれない頭でぽつりと呟いた。
覚えてるのは起きる間際の質問だけだが、なんだか凄く幸せな気分の夢だったので目覚めた事がちょっぴり惜しい。
そんな事を考えながら寝返りを打とうとすると、不意に両腕に重みを感じて、リンはゆっくり頭を右に振る。

そこには昨日抱き潰して淫らに鳴いていた愛しのエドワードが、自分の腕枕で甘えるように寄り添っていた。規則正しい寝息と震える睫毛が可愛くて、昨夜の乱れっぷりなど嘘のように純朴な寝顔だ。涎を垂らしていたので拭いてやろうと左腕を動かそうとしたのだが、何かの重みに阻まれ動かない。

そう、重みは『両腕』にある。

急に背筋が冷えたようだった。こちらにいるのがエドならば、この反対の重みはなんだ?嫌な汗がだらりとシーツを濡らすが、そんな事には構っていられない。
ゴクリと息を飲み、意を決して首を反転させると、リンは細い瞳を目いっぱい広げ言葉を無くした。


見慣れた金毛に白く華奢…とまでは言えないが引き締まった白肌の体躯。
それと相反するように鈍く黒光る機械鎧と、その体に流れる気。
規則正しい寝息と震える睫毛の可愛さまでそのままの…

それもまた、『愛しのエドワード・エルリック』であった。

何故?なにが?どうして?
意味を為さない単語の羅列がリンの頭を飛び交う中、一つの問いが鮮烈に思い浮かぶ。



‐愛しのエドワードが二人に増えていたら、貴方はどうしますか?‐



(…あぁ、そんなの決まってる……)



すやすやと眠る想い人を両腕に抱きしめ、ぎゅっと力を込める。
そして夢では答えられなかった問いを、呟くように吐き出した。


「二人とも、この両手に抱きしめるだけダ」


未だ夢か現かの区別がつかなかったが、夢でも現実でもハーレムって素晴らしいじゃン、などと能天気な事を考えながらリンは二人に頬ずりした。




end





お馬鹿なリン様。
まるで同じなので、どっちも本物だと確信をもってます。オレがエドを間違えるわけないじゃなイ、みたいな。
ちなみに今更ですが、すでにこのエドとリンはデキてます。中々な仲です(何)
ダブルエドハーレムでウハウハ幸せなリン様が書きたい衝動に駆られたので、続きます、多分(笑)



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