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犬1


「キントキー!」

玄関の扉を開けた辺りから自分の部屋からバタバタと物音が聞こえる。
仕事に行っている間は部屋で大人しくしてろ!と言ったら、部屋でちゃんと大人しくしていたらしい。

部屋の鍵を開けた途端にタツマが抱き着くというか飛び付いてきた、全裸で。

「待っとったんじゃぞー!」

飼っていた犬のタツマが何故か突然人間になってしまった。

「夢で神様に人間にしてあげましょう、と言われたき。ほしたら人間じゃ」

そういやペットショップで生まれた場所は聞いてはいたが、生まれはあっちのためか喋りは土佐訛りだった。

「キントキー」

犬だと前足、人間だと腕か。
肩に手を乗せてひたすら体を擦り付けてきた。

「イイコにしてたみたいだな」
「当たり前じゃー」

モジャモジャの頭を撫で、タツマは相変わらず体を擦り付けながら今度は体をピッタリとくっつけてくる。

「………んん゛」

急に擦り付けが止まり、タツマの体が震える。
その瞬間にズボンに熱い液体を感じた。

「?」

下を見ると俺のズボンに染み。
タツマの満足そうな表情。

「おっま…!小便すんな!ボケが!!」

小便を我慢してたのか漏らしやがった!
ペットショップから来たばっかの最初の頃は頭を撫でればウレション、そんで頻繁に小便を漏らしてたな…

とりあえず躾の一環で頭を叩く。
次に顔を両手で挟み、顔を覗き込む。
…純粋そうな目をしてやがる。
少し怯えた表情。
じっと目を見つめる。

「なんで小便した」
「…が、我慢できんだき…」
「小便する場所は?」

人間になってから漏らす事が多く室内で砂にさせる事を教えたが、どうも色々な面で始末が悪く便所を教えた。

「……便所」

小便は漏らしたが覚えてはいるらしい。

「…次に漏らしたら2日飯抜くぞ」

タツマが必死に頷く。
手を離してやり漏らされたズボンを脱ぐ。

因みに便所を教えるのも一苦労だった。

犬の性質上、足を上げ、発射。
な訳だが人間でやられると勿論目標が定まらず、発射されたビームが目標に当たらず誤爆。
つまりビームが便器外、ということになる。

「ここで小便なりしろ」

と一言、人間のタツマに人間感覚で便器を指しながら言った後に戻ってきたら大惨事であった。
俺が悪く、叱るに叱れず雑巾で必死にキレイにしたのが脳内に蘇る度に何故か屈辱的だった。

しばらくはタツマが尿意を催したのを察知すると急いでチンコの根本をキツく握り、便所へと2人で走った。
俺が後ろからチンコを握ったまま便器へと目標を定めたところで手を緩める。
緩めた瞬間にタツマの体が脱力、発射。
俺が振り、紙で拭く、やっと終了となる。
…これは何とか覚えさせた。
しかしウレションの癖が納まらず困っている。
漏らされて、着替えでは間に合わない量だったため風呂に入る事にする。

とりあえずズボンを脱ぐとタツマの頭を掴み引っ張る。

「風呂入んぞ」



20100507


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