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妖怪 おこしもらし

林間学校でデカイ部屋にみんなで雑魚寝。
寝る前に松陽先生からチビりそうな位に怖い話を聞き、みんなヒィヒィ言いながら必死に

「怖くねぇよ!」
「つーか幽霊なんていねーし!」
「見えないモンを怖がるなんてバカか!」
「怖くねぇってば!」

と騒いでいた。
まぁ、騒いでいたのは主に俺ではあったが、そんな事はどうでも良い。
騒ぐ俺を見て高杉はニヤニヤとしていた。
無視した。
怖さをまぎらわすために茶をがぶがぶ飲んで腹をいっぱいにして、満腹になったかのような気持ちで就寝に挑んでやった。
茶を飲んだ理由は満腹になった後に寝るとグッスリいけるから。
この茶を大量に飲んだ事が惨事になるとは…
誰が思っただろうか…

俺が布団に潜って寝始めてから1〜2時間経った頃だろうか…小便がしたくて目が覚めてしまった。
部屋の暗さから察するに朝まではきっと5〜6時間はあるだろう。
そこまで我慢するには不可能な程の尿意。
だが、こんな深夜に便所までの移動、しかも寝る前に聞いた怖い話。
これらを総合すると…正直、恐ろしい。
だが、このまま我慢していたら確実に漏らす。
漏らして高杉に色々言われるのだけは避けたい。
そこで思い付いた案はコレだった…誰かと一緒に小便に行けば良い。
横に寝ているのは辰馬だった。
これ幸い、とばかりに辰馬の肩を遠慮なしに震度5で揺らす。

「…たつま、たつま…起きろ、起きろ…」
「…むぉ…何じゃあ…朝かいな…?」
「小便したいだろ?付き合ってやるよ」
「…別に…おしっこ…しとうないき…」
「今しとかないとおねしょすんぞ」
「………。」

モソモソと辰馬が布団から出ると立ち上がり皆の頭を跨いで部屋を出る。
辰馬を先頭にして便所へと向かった。
早足で行く辰馬の寝巻きの裾をこっそり摘まむ。




あきゅろす。
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