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「先生は、僕のこと好いてくれますか?」

急に顔を上げて此方を見たかと思えば何とも突拍子の無い返答!
全然答えになってない気が物凄くするのだがとりあえずここは古泉に合わせたほうがいいよな。

「俺は古泉のこと嫌いじゃないぞ。もっと良く知りたいと思ったから今日呼んだんだよ。」

「なら僕が貴方の事を『好き』、だと言ったら?」

「それは嬉しいな。てっきり嫌われていると思ってたし。」

俺は古泉の言葉を『人間として好き』だと思い込んでそう言うと古泉は至極嬉しそうな顔をして良かったとどこか安心しているようだった。

それはまるで親に怒られるのを覚悟していた子供が怒られないで済んだ時の様な、思いつめていたものから一気に解放されたようにも見える。


だが俺のこの判断が間違いだったのだ。

古泉をあまり良く知らないまま『好き』という言葉に同意してしまった事。

その事で深く後悔するなんて、今はまだ微塵も知らないまま古泉がニコニコと笑っている様子を見て安堵の息を洩らす俺がいたのであった…。


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