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もう、いらない



手を、伸ばす。
此れ以上無い程に距離を感じた。




もう、いらない




人として終わった気がした。
気違い?何とでも云えばいい。
何年間も生殺し状態にほっぽられてしまえば呆れに諦めが混ざって、鬱に成る。
何もかも馬鹿らしくて消化しきれない奥底に溜まるナニカがぐいぐいと押し潰してくるんだ。


「よっグリーン!」

「また来たのか。」

「またって何だよまたって!いいから早くやろうぜ!」

「はぁ…性懲りもなく…。」

「う、うるさい!今日こそ俺が勝つんだからな!療養中のブランクは絶対取り返してやるんだ!」

「はいはい。ジム戦同様で良いのか?」

「おう!使用ポケモン二匹の入れ替え式!」

「じゃあ始めるか。」



何とも思われてないって云うのは正直非情だ。目の前に晒された現実を突き出されて右往左往させられるだけ。

「行くぜグリーン!」



此の温度差が辛い。




バトルしかお前を繋ぎ止めておけるものが無いなら要らない。
俺が欲しいのは其れじゃない。


「行けフッシー!はっぱカッターだ!」

「リザードン、かわして火炎放射!」


強い眼差しに、俺は捕らわれない。
存在に縛り付けられた自分の気持ち悪いレッドへの想いに固執したままな俺は動く事が出来無い。


そうだな。


もういいか。

俺が我慢する事なんて何一つ無いだろう。


「レッド。もうバトルは、」











やらない。





 END





お題提供:1or8
2008.1.24 夜忌

緑→→→→→→→赤。キモい位一方通行。




 


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