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いつからだっただろうか。
僕が貴方を求め始めて、貴方が僕を受け入れ始めたのは…。




「こっ…いずみ…しつこいっ!」

土曜の夜は決まって僕の家に彼が泊まりに来る日になっている。

そして飽きもしないで何度も身体を重ねるのだが、どうにも彼曰く僕の性行為はしつこいらしい。

彼に覆い被さってもう一度しようとしたら肘で抵抗された。

汗で額にくっついた前髪を優しく掬い上げ、キスをしてなだめてみる。まだ2回しかしていない。僕はまだ彼としたい。


「もう1回くらいいいじゃないですか?明日は幸運にもSOS団の集まりは無いですし。」

「俺は、お前と違ってそんなにお盛んじゃねぇんだよ。明日腰が痛くなるのはお前じゃなく俺だぞ!?」

「その時は僕がちゃんと看病しますから。」

「嘘つけ。この前もそんな事言って散々ヤった挙句、看病とか言いつつ昼にまた迫ってきたのはどこの誰だ!?」


覚えてましたか。と、わざとらしく申し訳なさそうな顔をすれば彼は眉を寄せ少し怒ったようにそっぽを向いてしまった。


「すみません。僕は何度でも貴方を抱いていたいんです。これでも抑えてるつもりなんですけど…まだまだですね僕も。」

「……まったくだ。お前はその歳で絶倫か?笑えない冗談でも究極だぞ。」

「キョンくんの色っぽい身体がいけないんですよ。」

「俺のせいにするなっ!」


だって仕方がないじゃないですか。いつもツンケンした貴方を抱けば素直に僕を求めてくれるなんて知ってしまったんですから。

なんて言ったらきっと彼は本気ですねるだろうと分かっていたからうつ伏せの彼を抱きしめた。

今日はもう大人しくしますから機嫌、直して下さい。


「明日は…朝食作ってやるよ。」

彼は諦めたような、それでいてダダッ子をなだめるような声でボソっとそう言った。

何でこのタイミングで貴方はそんな嬉しい事を言うのだろうか。意図が掴めないまま唖然としていると顔を赤くした彼は"失言だ忘れろ"と言って不貞寝を決めこんでしまった。


忘れられるわけがない。

彼なりの譲歩だったのだろう。
これが考えなしでやっているからまたタチが悪いのだと彼に言っても理解してはくれないと分かっているから言わないことにした。



「明日は是非とも貴方が作ったオムレツが食べたいです。」

「…気が向いたらな。」

「はい。」







いつからだろうか。
これ以上ない幸せを神に壊されたくないと願い始めたのは…。


すいません涼宮さん。
僕は今、幸せです。


END


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