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原因が明確な喧嘩程、きっと楽なものはないのだろうかと無意味に考えてしまう。

何故なら謝る事が出来る。
反省して仲直りが出来るから。


けれど今回はどうだろうか?


僕には原因が分からない。

けれど彼が怒っている理由は間違いなく僕にあるようで。放課後からずっと不機嫌な彼の様子を伺ってはため息をつくばかりだ。





そう、彼は今、怒っている。







話しかけても大した返事はもらえず。恒例のボードゲームも気分じゃないからと拒否られ。挙げ句の果てに今日は僕の家に来るという約束をしていたので同じ帰路を辿ってもそっぽばかりを向いて不機嫌オーラをこれでもかという程に漂わせていた。


いつもなら彼と一緒に家に帰る事が楽しくて仕方がない筈なのに。今は正直、空気が重い。



家に着くまでにはこの状況を打破しないと悲惨な事になりかねない。僕は意を決して、彼の機嫌をこれ以上損ねないよう原因を聞くことにした。


「あの、キョンくん…」

「………何だよ?」

「僕、何かしてしまいましたか?」

「…………心当たりないのか?」

「…すいません。」


驚いた表情をしながら彼は眉間にシワを増やしていく。そして言うか言わないか迷ったのだろう、何度か視線を泳がせてからため息混じりに口を開き始めた。


「昨日お前んちに行ったよな?」

「はい。」

「そこで、大量のAVを…見付ちまったんだよ。」

「…………………。」


えぇっと、いや、落ち着け一樹。彼は僕の家でAVを発見したから怒っている…と。


「その、別に1本や2本ならいいさ。いや、嫌だけど。だけどあの量は何なんだ!?19本だぞ!?」

あ、数えたんですか…。

「しかもジャンルが巨乳ばかりときたもんだ。俺に飽きたなら…そう言えばいいだろ!!」

えぇー!?
そういう展開になるんですか!?


僕は彼の話を聞きながら唖然とした。正直、説明するタイミングを逃したのがまずかった。

彼は僕の沈黙を肯定だと勝手に解釈したのか涙を目に溜めながら自分の家に帰ろうとしている。

僕はとっさに彼の腕を掴んで一先ずそれを阻止した。


「離せよ巨乳好き!!」

「ちょっと落ち着いて下さい。僕は巨乳好きでも、ましてや貴方に飽きたなんて事有り得ませんから。」

「じゃああの大量のAVは何なんだよ!!」

「あれはクラスの人が半ば無理矢理貸してくれたんです。勿論1本も見てないですよ。」

「………そうだったのか…」

「言うタイミングを逃してしまいすいません。」

「いっいや、俺が早とちりしたのがいけなかった。悪かったな、疑って。」

「いえ、誤解がとけて良かったです。」


安堵の表情を見せる彼を見て僕も肩に入っていた力を抜いた。

彼の誤解がとけて、これから家で幸せな一時がおくれる。それだけで僕は満足だ。

あのAVは明日にでも適当に礼を言って返してしまおう。



僕はそっと彼の手を握り帰路を急いだ。


END


━━━━━━━━
これ、何ていうバカップル?(爆)

もっと下ネタよりのギャグにする筈が古泉大好きなキョンが暴走して終わった…(苦笑)まぁそんなのもアリだと思ってもらえたら幸いです。


以下オマケ






「そういえばキョンくんはAVとか見ないんですか?」

「お前とこうなる前は世話になってた。けど…」

「けど?」

「今はもう見る必要なくなっただろ!!」

「っ!!可愛すぎますっ!!」

「ちょっ、おい!抱きつくなぁああぁ!!!!」←満更でもない様子。




結局バカップルオチっ!!
お粗末さまでした☆


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