目の前にはアイドル顔した似非スマイル全開のSOS団副団長という肩書きを持つ古泉一樹は先程からずーっと、飽きないのかと言いたくなるくらい同じ行動をとっている。
何をしてるかって?
…俺の耳掃除に心底熱中しているようなのである。
いや、いきなり耳掃除とか言われても分けがわからないかもしれないが、当の本人の俺ですらこの状況を上手く把握しきれてないのでその辺は多目に見てほしい。
只1つ確実に言える事は、突然俺の耳掃除をし始めた古泉は只今とてもとても機嫌が良いということだ。下手したら鼻歌が聞こえてきそうなくらいに。
そして俺は場の流れというやつに負けて悲しきかな古泉に膝枕をしてもらっている状況だったりする………が、当然の如く俺からしたら嬉しくもなんともない。むしろ顔が近い、すっごい近い、もう帰りたい。見事な三拍子が揃うくらい気分はブルーだ。
これが朝比奈さんなら昇天するくらい至福だというのに…と、無駄な妄想で少々の現実逃避をしつつ、本日何度目かも分からないため息をついた。
「眠くなりましたか?どうぞ僕の膝で寝て下さい。」
「いや、眠くない。むしろ早く俺を解放しろ!多分もう綺麗になりすぎだって俺の耳!!」
「嫌です。」
「………。」
最近分かったことなのだが、古泉は実は結構な我が儘だ。しかも自己中心的で俺の意見丸無視ときたもんだ。
そんな古泉に何を言っても聞いてもらえないとわかってはいたが、こうもあっさりと却下されると返す言葉が見付からない。
何日か前から始まったこの屈辱的なこのポジションに結局のところ甘んじている自分自身に不甲斐なさを感じつつ、俺はゆっくりと目を閉じた。
ふて寝というやつだ。
「やっぱり寝るんですね♪」
「…………。」
"煩い阿呆、俺は眠たくて寝るわけじゃないんだ"と、心の中で反論しながら耳掃除の心地好さに身を任せる事にする。
「おやすみなさい、キョンくん。」
そう、なんとも幸せそうな古泉の声が聞こえたのはきっと幻聴ではないのだろうと、ぼんやりする頭で考えつつ俺はゆっくりと眠りについた。
END
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アマアマ?な古キョン的ある日の出来事でした。
この後キョンは爆睡したら良いと思いますwww
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