僕の力なんてたがが知れている。
閉鎖空間が発生したら神人退治をするだけ。
それ以上もそれ以下も求められていない。忠実に機関の駒となるだけだ。
別にそれでも良かった。
僕が出来ることをやればいいと思っていたから。
僕は特別で、だけど誰からも求められてなんていなくて。
いないのと同じ。
いなくても大丈夫。
只、それだけなのだ。
それなのに何故貴方は僕を放っておいてはくれないのですか?
僕のことなんて心配しないで下さい。貴方は涼宮さんの事だけを想っていればいいはずなのに。
なのに、何故…
貴方は僕を必要だと、好きだと言ってくれるんですか?
僕には、分からない。
「お前が思っているほどお前の価値は小さくないんだ。分かれよ、馬鹿」
彼は僕の腕の中で泣いてくれる。
どうしていいか分からなくて、ただ早く泣き止んでほしいと思いながら僕は彼の頭を撫でる事しか出来なかった。
「…すいません。」
泣かせてしまってごめんなさい。
突き放せなくてごめんなさい。
貴方を好きになってしまって、ごめんなさい。
圧し掛かってくるのは罪悪感だけで、それでも彼が僕を好いていてくれる限りは生きていけると思えた。
まだ僕は僕のままでいいのだと思えるのだ。
「僕は、貴方の為にこの世界を守ってもいいんでしょうか?」
「それでいいんだよ。ハルヒとか機関とか考えすぎんな。考えすぎて一人で悩むな、俺はお前の力に…なりたいんだ。」
「…ありがとうございます。」
嬉しい。
温かい。
僕は、彼を強く抱きしめて声を殺して静かに泣いた。
機関を裏切ってでも、涼宮さんを敵にまわしても。
僕は彼と生きていくことを、選んだ。
END
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病んでる古泉を久しぶりに書きました。自分の存在理由を否定してはキョンが泣くんですよ。で、また古泉後悔みたいな感じです。
月に1回病んでると個人的に萌えます(爆)
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