仕方がないことだと分かっていたことじゃないか。
アイツは悪くない。もともと俺たちは交わるべきじゃなかったんだ。
古泉は、世界を選んだ。
いつかこんな日が来ることくらい何度も考えた。
考えてはもっと先の話だと思い込んでいたんだ。
だから突然古泉の口から"さようなら"と言われた時、目の前が真っ暗になった。
俺にはまだ古泉が必要だったんだ。
もっと傍に居てほしい。
見慣れた笑顔すら恋しくて、何度も叫んだ。
涙も止まらないで女々しく古泉にしがみ付いた。
古泉を困らせてはいけない。
俺は素直に従わなきゃいけないと、分かっていても感情はコントロールできなくて。
古泉が困ったように笑うのを見て、嗚呼、もう本当に終わりなんだな。と他人事のように感じた。
アイツは振り返ることもしないで静かにこの街を去って行った。
二度と戻らないあの日は俺にとって唯一の幸せで。
アイツと一緒に居られたことだけが、俺の中の全てなんだと今なら思える。
「神になんて、勝てねぇよ。」
アイツが居たから俺はハルヒの突拍子もない事にも付き合えて。
あいつが居たから世の中も捨てたもんじゃないって思えたのに。
今はただただ鉛を飲み込んだように体が重い、何もしたくない。
分かってる。
分かってるけど。
俺はきっと、まだ
諦められないでいる。
古泉と逢える事はもう二度とないとしても。
どうか、叶うなら
もう一度だけアイツの笑顔が見たかった。
END
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どんなに足掻いても神には勝てない二人、を悲観的に書きたかったのです。
読んでくださり有難うございました。
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