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※古泉とキョンが機関の人間という設定です。






今日のハルヒは不機嫌だった。理由は不明。多分最近自分の思い通りのSOS団の活動が出来ていないからだろう。
故に23時過ぎ少し規模の大きな閉鎖空間が発生し、俺と古泉は現場に急行しているわけだが自然と溜め息をもらしてしまうのは仕方がないと思ってほしい。

俺には学生としての生活と機関としての役目があり上に報告する書類を作ったり明日の為の睡眠時間が必要なのだが、いかんせん閉鎖空間が出ると時間はそっちに割かれまともな睡眠時間すらとれなくなる。

古泉はそれでも平気かもしれないが俺は無理だ。


「お疲れですか?」

目的地に着き、車から降りた直後古泉が振り返り心配そうに此方を見ていた。

「いや、明日の学校が憂鬱なだけだ。俺の大事な睡眠が削られるわけだからな。」

「そうですね。今後閉鎖空間が連日で起こっても不思議じゃない程今の涼宮さんは不機嫌ですから、こちらから何か面白い事を提案しなくてはなりませんね。」

「そのへんはお前に任せるさ。俺は上の連中に送る大量の報告書が残ってるんでな。」

「善処してみます。…ではそろそろ行きましょうか。手を出してください。」

ニコリと笑いながら古泉は手を差し出してきた。ここで説明しておこう。俺は機関の人間であるが古泉みたいな超能力はない。だから閉鎖空間にも1人じゃいけないし神人と戦う力もない。
なのに何故機関側にいるのかというと、人並み以上の洞察力と超直感で神人退治のサポートが出来るからだ。あとは閉鎖空間の発生位置くらいは把握出来る。だがまぁ俺はそれくらいしか出来ないのだ。

渋々差し出された手に自分の手を添える。今は深夜で道路に人がいなくても外で野郎2人が手を繋ぐというのは何とも恥ずかしいものなのだ。分かってくれ。

ゆっくりと目を閉じ、眩しい光を合図に目を開ければお馴染の閉鎖空間だ。

あたりを見回し神人を探す。
まだ現れていないがすぐに出てきて暴れだすだろう。


「古泉、北西…ここから3q地点に現れるぞ。」

「了解しました。」

古泉はゆっくりと神経を集中させ力を周りに集め始める。

コイツの赤玉の色はいつ見ても他の誰よりもキラキラしてる気がした。それくらい力が強いのだろう。

ふわりと浮き神人の位置を確認し"いってきます"といつものように笑いながら古泉神人退治へと向かう。

目の前のフェンスを握りしめ古泉の帰りを待つことしか出来ない、こんな自分が時々無償に役立たずに思えてくる。


薄暗いこの空間で唯一輝く赤を決して見落とさないように、俺は必死で古泉を見守った。


「怪我なんかするなよ。お前は、ハルヒに面白いネタを提供する使命がまだ残ってるんだからな。」

END


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あきゅろす。
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