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なんだかちょっぴし嫌な予感はしてたんだ。
だって今日は珍しくナンパがうまくいったし、臨也さんは笑って俺をみただけでどこかにいってくれたし、帝人はなんだか笑ってるけど怖いし。
だけどさぁ。
まさかこんなことになんなんて思わない、だろ?

「正臣、ちょっと」

駅で用を足して戻ってきた帝人に呼ばれる。
携帯の画面から目を離してそちらをみると、帝人はトイレの方へ手招きしていて。

「どうした―?なんかみつけちゃった?」

何か面白いものでもあったのかなと招かれるままトイレにはいると

「ちょっ!?」

突然腕を引っ張られ驚いている間に、あれよあれよと個室に引っ張り込まれていた。
狭い個室に帝人と二人向かい合う形で立つ。
本能的にヤバい気がして出ようとしても、ドアは帝人が背中で塞いでいて叶わなかった。

「なになに?帝人、こういうプレイが好きなわけ?」

いつものノリが恋しくて茶化してみるも、反応なし。
かわりに、帝人の唇がふってきた。

「ん…んぅ」

そのまま舌を絡めとられながら、シャツのボタンをはずされる。
なんだがいつもとちがう帝人に少しだけ恐怖を感じた。

「正臣だって、こういうプレイ好きなんじゃないの?」

唇を離し、帝人が軽く笑む。
そうして最後のボタンを外した手をそのまま下に、股間に持っていくと軽く触れた。

「ほら、もう勃ってる」
「……!」

そう耳元でイケナイコトを話すように囁かれ、羞恥に目も口もぎゅっととじる。
それがよろしくなかったらしい。
抵抗できる最後のタイミングを逃してしまった。

「っ帝人っ」

触れるだけだった自身にあたる帝人の手が、意思を持って動き出す。
制止をかけるために短く名前をよんだ。
けれどもそれは、外に誰かいたらどうしようとそればかり気にかかって、帝人に伝わらない程度の大きさにしかならなかった。

「―――――っ、ん、んぅ」

押さえられない快楽を、帝人の肩に顔を埋めて唇を噛んでやり過ごす。
認めたくはないけどやはりいつもと違うシチュエーションに俺は確かに興奮していて、いつもより限界が近づくのが早かった。

「やっぱり好きなんじゃん」

俺の欲望をその手に握っているんだ、文字通り手にとるようにわかるのだろう。
帝人が馬鹿にしたみたいに笑みを深くして囁く。
俺は見透かされたのが恥ずかしくて、とっさに首を横にふった。

「―――」

一瞬の、間。

帝人が愛撫を全部やめて俺を見た。

そして

「そっか」

にっこり純粋無垢な笑顔を浮かべて、俺から離れた。

「え…えっと、帝人…?」

そうして帝人は呆気にとられている俺をよそに、いそいそと殆ど乱れていない自分の身嗜みを整える。

「ごめん。ちょっと外で落ち着いてくる」

奴は短くそう言い、何故か俺から剥いた服一式を持って外にでた。
後ろからちらりとみえた帝人の口角が少し上がっていたように思えて、俺は何もいえなかった。


パタンと妙に音を響かせて扉がしまる。
この状態に対する恐怖に冷めていく心とは裏腹に、俺の息子は一向に落ち着く気配はなく寧ろ熱を持って主張していた。
これからどうしたらいいかわからず、呆然と扉を見つめる。
こんな、いつ誰が入ってくるかもわからない駅のトイレで
裸のまま一人で欲情してて
もし誰かが入ってきたら、警察よばれて俺もついに刑務所デビュー?…なんてな。
そんなくだらないことを考えながら、自分を落ち着かせようと深呼吸をする。
のに、やっぱりそれは萎えない。
こんな事態だってのに、萎えてくれない。

「正臣だって、こういうプレイ好きなんじゃないの?」

さっきの帝人の声が、頭の中で勝手にリピートされる。

「…………っ」

手が帝人に乗り移られたみたいに勝手に自身へと伸びた。
と、

「!?」

キィと目の前の扉が開いて、俺は我にかえって手を引っ込める。
顔をあげると、そこには帝人がいた。

「ごめんね、正臣!」

さっきとは違う、いつもの帝人。
いつものようにたどたどしく服を着させてくれる姿に、さっきとのギャップに、頭は安堵しつつも、心には何かがひっかかっていた。

(これは、一瞬の気の迷いだよな)

先ほど勝手に動いた右手を見ながら、俺は大人しく服を着せられていた。

ここからでれば、きっとまた、いつも通り。




とあるイベントのアフターにて盛り上がった妄想話から出来上がりました←
私としては、正臣に愛撫して彼と同じく胯間パンパンに張らしただろう帝人がどうやって外に出たかが気になるのですが…<◎><◎>
さすが帝人様クオリティ







あきゅろす。
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