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・帝正
・どっちも初体験(帝人童貞/正臣否童貞、処女)
・挿入前
・正臣視点


「…いっ、いくよ。正臣」

俺の上で四つん這いになった帝人から上ずった声が落ちてくる。
目が慣れてきたとはいえ情事のために薄暗くした室内でさすがに表情まではよめなかったが、それでも声から帝人が尋常じゃなく緊張しているのが伝わってきた。

「みーっかどっ。そんなに緊張すんなって」

そうなる気持ちが同じ男としてとてもよくわかるから、緊張をとくようにいつも通りの声の調子でいいながら腕をのばしてぎゅーっと痛いくらいにきつく抱きつく。
そうすると、上から降ってくる空気が少し和らいだ気がした。

「…っ、」

先程充分にならされたソコへ、硬いものが宛がわれる。
初めて感じるその熱に、俺は思わず息をのんだ。
男ならではの期待と受け入れる側としての不安に、ヒュッと小さく喉が鳴る。
そうこうしている間にも下から襲いかかってくる裂くような痛み。

(あ…やば…)

痛みで頭が真っ白になる。 帝人は帝人なりにゆっくりしてくれてるんだろうとか、ここで待ったをかけたらまた奴は奥手に戻るんだろうなぁとか、そんなことを考える余裕がまったくなくなってしまった。

「い、た、い」

息と息の間にそう短く三音だけ発して、帝人の体を押し戻す。
腕に力が入らなくて弱い力での拒絶になったことが、せめてもの救いだった。

「あっ、ごめん」

いっぱいいっぱいだった帝人が、俺の息づかいに気づいて一旦動きをとめる。
そうして俺の頬へ手をのばしながら、震える声で問いかけた。

「だ…大丈夫…?」

しっかりと目を合わせてこくんと頷いてやる。
いつもみたいにニッと笑ってみたが、顔の筋肉が強ばって思うようにいかなかった。
帝人は俺が頷いたのを確認すると、更に慎重に腰をすすめた。
俺も力を抜いて受け入れ体勢を整えるように集中する。
いたい、けど、帝人がゆっくりしてくれるおかげで我慢できない痛みじゃない。
ゆっくりと息を吸って吐いてを繰り返す。
とそのとき、急に内部の圧迫が少し緩くなって自分のなかから帝人がでていった。

「どした―?」

不思議に思って自分の足の方へ視線を落とすと、そこには焦ってがさごそやってる帝人。
どうやら緊張故に萎えてしまったようで。
そういえば俺のを充分ならすために、欲望爆発しないようなんか色々耐えてたしな。
今になって漸くその努力が実ってしまったのか…。
なんだか可笑しくなってなってしまった。
帝人には悪いが半分は安堵、でも半分は残念な気持ち。

(まぁでもそんなに焦ることでもないか)

あの帝人は今日はここまでやって、それだけで大進歩だ。

「仕方ねぇなぁ」

未だにあくせくやってる帝人に今度こそいつも通り笑いかけると、俺は萎えてくたぁとなっている帝人の自身へと手をのばした。
どうやら今回はお預けのようだ。





帝正は初々しいのが好きです。


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