幽閉された英雄
ダメだ。もう、無理かも知んねえ。好きだけど、もうやめたい。
あの人の前だと、動けなくなっちゃうんだ。カチンって、緊張して。指先とか震えてさ。ついには呼吸のしかたさえも忘れちまって…
やっぱダメなんだ。
あの人が話しかけてきてくれても、そっけなくしちゃって、目もすぐそらしちゃって。
もう半径5メートル以内には来ないでほしい。俺だけがあの人を見ていられれば幸せなんだ。
「なあシカマル」
「ん?」
「…俺さ。無理」
「あ。急になんだよ」
「だってさ。喋れねえんだもん。俺…」
「…日向先輩か」
「うん」
シカマルとは、普通に喋れるのになあ。
「…あのな、お前がモジモジしてるからあっちも話しづらくなってんだぞ。堂々としてろよめんどくせェ」
「う。だって…」
だって、見られてると思うと怖いんだ。先輩の目に俺がうつって、先輩の頭に俺という人物がインプットされてると思うと、緊張して動けなくなるんだからしかたねぇってばよ。
「…なあナルト」
「なんだってばよ?」
「お前ら、はたからみたらすげぇウケるぞ」
「はぁ!?どういう意味だってばよ、」
「俺、日向先輩からも話しきいてんだ」
シカマルが愉快そうに笑った。
「お前ら二人してヘタレな」
end
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